誰をも少し好きになる日―眼めくり忘備録

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誰をも少し好きになる日―眼めくり忘備録

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163902159
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

子供時代の記憶、インドの旅先で出会った人々…日常のふとした瞬間に呼び起される記憶を研ぎ澄まされた感性で切り取った珠玉の随筆。

晴れの日はカメラを持って40年通い続けている浅草の街へ。雨の日は家で作業をしながら、記憶をさかのぼり、生まれ故郷や、異国の人々との出会いと別れに思いを馳せる……。市井の人々を撮ったポートレイトで世界的な評価を受ける写真家である著者が、その透徹した感性と文章で綴る珠玉のエッセイ集。

内容説明

さりげない日常の中に顕れる、小さな永遠。見えるものと、見えないもの…写真家が目で感じ、心に写した風景とは。静かにつむいだ言葉が、モノクロームの写真と美しく響きあう、珠玉の随想集。

目次

石を抱え、水底を歩く男
足踏みミシンの輪唱
スーパー・リアリズムの夜
酢を飲まされる娘
松ちゃんのコーヒー
夜の雪
修行僧のふくらはぎ
物をくれたがるひと
少年と孔雀目の男
サンドイッチと赤い星〔ほか〕

著者等紹介

鬼海弘雄[キカイヒロオ]
写真家。1945年山形県寒河江市生まれ。法政大学文学部哲学科卒業。マグロ漁船の乗組員、暗室マンなどを経て写真家に。2003年『PERSONA』で第23回土門拳賞、2004年日本写真協会賞年度賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

27
写真家鬼海弘雄さんのフォト&エッセイ集。記憶の中にある懐かしい人たち、懐かしい風景。インドやトルコでの旅の思い出、出会った人々。浅草の町で見かけた味のあるたたずまいの人物写真。写真家の目に写るもの、記憶に残るもの。「その懐かしさは単なるノスタルジーだけでなく、未来に繋がってくれればとの願いも生まれてきて、その夜は、いつもよりは少しだけ人を好きになれるようないい気分になって店を出た。」この一節が、著者の写真と文章をとても上手く表しているように思った。2016/12/15

たまきら

19
2016年3月現在、一番夢中になっている写真家さんの「忘備録」。出会った人たちの回想と、飼いネコや妻への気持ち。気負いも気取りもなく、淡々と語られることばが逆に写真家の人への姿勢をしらせてくれる。最後のストーリーには泣けた。これだけ、描き下ろし。明日も浅草に行く自分にはこたえられない。もっともっと人に出会いたくなりました。2016/03/29

シュシュ

17
写真とエッセイ。写真家の鬼海さんが書いた文章がとてもよくて、ページをめくるのが楽しみだった。この本の中に『誰しも少し好きになる日』という文があったが、私にとっては、この本を読んでいるときが、誰しも少し好きになるときだった。癒されるというのとも違う、心が落ち着く本だった。2015/06/23

mukimi

11
趣味を聞かれたら、読書とならんで写真と答える。どんな写真が好きかと聞かれたら、この本にのっているような写真だ。デジタルで修正や加工し放題の時代だが、モノクロで余計な飾りを排除し、そこにいる人の心をありのまま包み込んだような写真がたまらなく美しい。そして筆者のエッセイも写真に寄り添い味を加える。表紙のたてがみが寝癖みたいにわしゃわしゃした眠そうな優しい馬の表情を愛してしまう人にはきっと大切な一冊になるだろう。人間の日常を愛したくなる。タイトル通りだ。2015/03/31

栗 餡子

8
対象の時間をも写しこんだ様なモノクロ写真は元々好きですが、筆者の市井の人々に向ける冷徹かつ暖かい眼差しが、知的な文章と相まって何とも贅沢なひと時をもらった気分です。暫く鬼海氏の作品世界に浸りそうです。2015/05/23

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