老耄と哲学―思うままに

電子版価格 ¥1,629
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老耄と哲学―思うままに

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  • サイズ B6判/ページ数 441p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163901985
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

この震災は天災であり、人災であり、文明災であり、近代文明そのものが深く問われている…亡国の危機に際し思索する新聞連載最新刊。

日本の自然は、私がずっと「草木国土悉皆成仏」という言葉で考えてきたような慈悲に満ちた自然ではなかった――。東日本大震災という未曽有の災害を、著者は近代文明の理念を揺るがすものととらえ、自らの哲学をも厳しく問い直す。最後の教養人であり、大哲学者による、二十年以上続く東京・中日新聞連載のエッセイ最新刊。

内容説明

縦横無尽の教養と好奇心、鋭い批判精神に基づき、卒寿の年を迎えてなお果敢に発言し続ける…20年を超える新聞連載「思うままに」シリーズ最新刊。

目次

小沢一郎的人間
核兵器廃絶への道
終戦の日
ゲゲゲとの対談
中曽根元首相に学べ
スターリンのスパイたち
アジャセの成仏
画文交響
秋の珍事
人類哲学についての覚書〔ほか〕

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nizimasu

7
新聞連載のエッセイをまとめたものだけれど、その内容は多岐にわたる。哲学では天台宗の教えから「草木にも仏性が宿っている」と説いたかと思えば、突然、水木しげるとの対話で戦争時代を思い、折々似なくなった人への随想、自身が手がけた「ヤマトタケル」のエピソードから歌舞伎へのあれこれにまで、まさに思索の連続。半沢直樹の感想すら出てくるのは、とても80歳を過ぎたとは思えないバイタリティ。白眉は、その健康の秘訣で、食事を楽しみ、性欲の衰えを嘆くことなく、人付き合いを減らしていき、気ままに生きるという。何だか味わい深い2015/03/28

koji

6
軽妙洒脱。プラトンから半沢直樹まで、縦横無尽に語りつくします。生きるヒントが溢れていました。中でも印象に残ったのは「怪物マチコミ」。水木しげるの漫画で、この怪物に狙われた人間は、昼も夜も原稿書きに悩まされ、脳の中のアイデアを生産する機械を壊され、脳みそが軽くなる病気に罹るというもの。みのもんたの例えが秀逸です。つくづく戒めたいと思いました。もう一点。首領型と参謀型。参謀役に慣れた人間には度量や判断力が欠如していることもあるとの指摘も戒めです。時に思い切り首領型の行動をすべきと思いました。山本容子の装画◎。2015/10/01

たこやき

6
アッパラパーな表紙につられて買って読んでみたらユルっとした文章の中にアイヌ・縄文文化に対する造詣や西洋哲学の教えからの脱却、鈴木大拙の禅の教えの不十分さなど今の私が食いつきたくなる話題が随所に散りばめられていて更なる読書欲が刺激される一冊であった。それにしても梅原先生が風の谷のナウシカを読んだらどのような感想を書くのだろうか。これからは自分の学問に時間を割きたいとおっしゃってたのでナウシカを手に取ることは無いかと思う分ちょっと気になる。2015/08/19

takao

2
ふむ2021/01/08

Noriko

1
凡人にも読みやすく分かりやすい文章。東日本大震災を挟んでの新聞連載。天台本覚思想が大きな意味を持ってくる。「暴虐な父というべき自然を恐れるとともに、慈悲に満ちた母である自然を尊敬する神道の精神を再考しなければならない。」自然も人と同じ生き物。やはり原発は反自然なのだよね。2015/12/27

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