アンブラッセ

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  • サイズ B6判/ページ数 281p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163901909
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

仏語で「抱擁する」。それを教えてくれたのはあの人だった。魂が味わった静かな快哉。忘れえぬ記憶の中で男は、そして女は、生きる。

アンブラッセという言葉を教えてくれたのは、相沢さんだった。フランス語で「抱擁する」という、その意味も――。(めぐりあいて)
誰もいない家に入って、花を替えテープレコーダーのスウィッチを入れてくる、それだけのこと。小百合が依頼された不可思議な仕事はいったい誰のため?(「家族の風景」)
たわむれに田舎に向かう幸一が出会ったひとりの行商。見たい夢を見せてくれるという男の誘いに思わず乗った彼の脳裏に現れたのは……。(「夢売り」)

名手・阿刀田高が紡ぐ、妖しくも優しい十篇の物語。大人の渇きを潤す、傑作短篇集。

装画:agoera

内容説明

アンブラッセという言葉を教えてくれたのは、相沢さんだった。フランス語で「抱擁する」という、その意味も―(『めぐりあいて』)。身体と心が記憶する、快哉。いまなお疼く思いに身を焦がしながら男は、そして女は生きる。大人の渇きを潤す、傑作短篇集。

著者等紹介

阿刀田高[アトウダタカシ]
1935年、東京生まれ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年『来訪者』で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞、95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。03年紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

67
大人の小説という感じでした。妖しくも優しい甘美さが漂います。体と心が記憶する快楽の中で疼く想いに男女は溺れ、生きていくのでしょう。不思議と不可思議を残し、夢の中にいたような感覚にさせられる物語。色々な景色を見せながら、はっきりとした結論はぼやかしているので、ぼんやりとした靄の中に取り残される気がします。それが読者に想像を委ねる醍醐味といったところでしょうか。大人の関係、不気味な物語、結末を考えさせられる物語など、昔と毛色が変わってもやっぱり著者ならではの作品だと思わずにはいられません。2015/03/29

takaC

66
─ 月曜日の朝、幸一はいつも通りオフィスに姿を見せたか、どうか、それとも大きな鯉となって山の湖深く泳いでいるか、どうか……あなたはどちらを信じますか。 ─ きっと「鯉」だな。2015/08/02

けんとまん1007

27
やっぱり、阿刀田さんはショートの名人・達人だ。どれもこれも、さりげなく仕掛けがちりばめられている。それをどれだけ感じられるかが、楽しみの一つでもある。それにしても、なんと現役作家としての期間の長い方だろうと思うし、阿刀田さんの声も思い出した。ふとした時に、読みたくなってしまう作家さんの一人だ。2015/04/10

さら

27
分かったような分からないような、まるで夢だったかのような読後感。ああ、阿刀田さんを読んでる!と実感。 この短編集の話の半分は、もしかしたら私の解釈とは違っているのかもしれませんが、読者の想像に委ねるという読書の醍醐味を味わわせてもらっていると思えば、それでいいという気がしています^^ いつも何かしら不思議と不可解を残してくれる作風は今も変わっていないと安心しました。 『赤い月の夜に』は、これから月夜の影が気になりそうで怖いです。2015/03/09

HiroshiKzk

20
大学時代に友人と貸し借りして数冊読んでいた作家さん。それぞれ読ませる短編集は年を重ねられてもすごい作家さんだと再認識。ただ学生時代に読んだ数冊がまったく思い出せません。すみません(^_^;)再読してみようか2015/07/31

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