伶也と

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163901619
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

同僚に誘われ、初めてライブに参加したその日から「伶也」が彼女の全てだった。人気バンドのボーカルを愛し、支え続けた女性の半生。

同僚に誘われて初めてライブに参加したその日、
瀧羽直子はロックバンド「ゴライアス」のボーカル、伶也と出会った。
それからは、伶也が彼女の全てになった。

持てるお金、時間のすべてを注ぎ込み、
スターダムにのし上がっていく伶也を見守り続ける直子。

失われていく若さ、変わっていく家族や友人たち……。
四十年後、彼女に残ったものは一体なんだったのか?

「別册文藝春秋」連載時より異例の人気を誇った傑作長編。

内容説明

生まれて初めてのライブで、ロックバンド「ゴライアス」と衝撃的な出会いをした直子。今までこれといった趣味もなかった彼女は、自分の持てる時間と金のすべてを使い、ボーカルの伶也を支えることを決心する。狂おしいほどの愛と献身が行きつく先はどこなのか。二人が迎えた結末は、1ページめで明かされる。恋愛を超えた、究極の感情を描く問題作。

著者等紹介

椰月美智子[ヤズキミチコ]
1970年、神奈川県生まれ。2002年『十二歳』で第四十二回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。07年に『しずかな日々』で第四十五回野間児童文芸賞、第二十三回坪田譲治文学賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

205
う〜ん、哀しすぎます、この作品。とにかく病的?なまでに想いを貫きとおす純度120パーセントのある意味純愛小説なのではないでしょうか。相変わらず多才な作風を見せつけてくれる椰月さんですが、本作もわずか250ページのボリュームながら、椰月ワールド全開でした。何よりもオープニングで読書の度肝をぬき、その1ページで早くも読書をガッチリ引き込む魔力?は絶大です。時の流れとともに主人公やとりまく人物たちの状況が変化していくのが、なかなか楽しめました。こんなにも無償で人を愛し続けることができるのか、壮大なテーマですね。2016/12/14

utinopoti27

117
31年間心ときめくことなく、地味に生きてきたOLの直子が出会ったのは、ロックボーカリストの怜也だった・・。何も求めず、金と時間の全てを注ぎ込み、ひたすら献身的に尽くす彼女に依存しつつ、栄光と転落のリフレインに体と心を蝕まれてゆく怜也。本作はそんな二人の40年にわたる特異な関係性をひたすら追いかける。決して報われることのない直子の愛は、狂おしく切なく、やがて迎える穏やかな終焉。時の流れと共に変わってゆくものと変わらないもの、全てを内包して、この物語は永遠へと昇華を遂げたのかもしれない。2019/10/09

みかん🍊

101
理系の大学院を出て真面目に生きてきた彼女は同僚に連れられ初めて行ったライブハウスで出会ったボーカルの怜也に魅せられ人生の全てを彼の為に注ぐ、好きな芸能人はいてもそこまで夢中になって追い掛けた事がないので彼女の気持ちに共感は出来なかったが、たった一人の人を愛し、最後に一緒に過ごせた直子はきっと幸せだったのだろう彼女に悲壮感はない。2021/01/08

90
これもまた、ひとつの愛の形なんだろう。芸能人である彼が人生の全てであり、生きる目的。何の見返りも求めない、ただただ彼が幸せであり笑っていられること、そしてそれを側で見ていられることを幸せとし、尽くし続ける彼女の人生。やはりどうしても彼女の強すぎる想いには狂気じみたものを感じてしまうわけですが、愛なんてものは他人の理解を必要とはしないのかもしれないですね。彼女を見ていると、そんなふうに考えてしまいます。他人にはわからずとも、誰がなんと言おうとも、彼女は幸せだった。そんな最期で良かったです。2015/05/09

うどん

74
切なかった…。一気読みでした。2018/09/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8411080
  • ご注意事項