出版社内容情報
両親は近親相姦、死因はマラリア。衝撃の鑑定結果は信用できるのか。元ネイチャー編集者が描く、政治とメディアと科学と少年王の謎。
2010年、エジプト考古局が衝撃的な発表をおこなった。最新のDNA鑑定の結果、ツタンカーメンの両親は近親相姦で、王は生来の虚弱体質、そして死因はマラリア、というのだ。しかし、この鑑定結果に世界中の科学者たちから疑問の声が上がった。3000年前のミイラからDNAが検出できるわけがないというのだ。この論争の渦中にエジプトで民主革命が勃発、エジプト考古学界は未曾有の混乱に巻き込まれる──。1922年に手つかずの状態で副葬品の「黄金のマスク」と共に発見されて以来、現在でもツタンカーメンの人気は衰えず、ドラマやドキュメンタリー番組が作られ、墓には何百万人もの観光客が訪れている。また、ツタンカーメンのミイラに関する調査結果はつねに話題を呼び、18歳という早すぎる死の原因解明に手がかりを提供してきた。これまでにさまざまな検視報告があり、そのたびに「大神官によって暗殺された」、「狩りの最中にカバに襲われた」など、多種多様な説が唱えられてきた。果たしてツタンカーメンをとりまく謎の真相は、一体どこまで解明されたのか? 著者のジョー・マーチャントは科学ジャーナリスト。著書に、2000年前の沈没船から引き上げられた奇妙な謎の機械をめぐるノンフィクション『アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ』がある。本書では、ツタンカーメンの歴史的発見からX線、CTスキャン、最新DNA鑑定に至る科学技術を駆使した調査結果を分析し、死因や血縁関係など「少年王」の実像に迫る。また、最初の発掘者であるカーターから謎の死を遂げたカーナヴォン卿、ツタンカーメンはイエスだと主張する宗教家、そして「ミイラ商法」で成り上がったエジプト考古局長ハワスに至るまで、ツタンカーメンに魅せられ、翻弄された人々の人間ドラマも描く。綿密な取材と膨大なデータから、少年王の死後の奇妙な成り行きを多角的な面から考察した科学ノンフィクション。
内容説明
ツタンカーメンに魅了され、翻弄された人々の人間ドラマと、死後3000年を経て発掘された少年王がたどった奇妙なる運命。『アンティキテラ古代ギリシアのコンピュータ』の著者が、多彩なデータをもとに描き出す、画期的な科学ノンフィクション!
目次
伝説のトンネル
蝋燭の炎が照らしたもの
姿を消した文明のドラマ
死は速き翼に乗って
手荒な検死解剖
ミイラはどのように作られたのか
リヴァプールからの手紙
血と骨が語る秘密
ファラオのX線写真を撮る
王の実像
恐怖のピラミッドと死を呼ぶ墓場
輪切りにされて蘇る命
古代DNA研究室
指紋、科学捜査、そして家系図
闇の中を転がるDNA
ツタンカーメンの死因は何か
革命
ファラオとの対面
著者等紹介
マーチャント,ジョー[マーチャント,ジョー] [Marchant,Jo]
科学ジャーナリスト。生物学を学び、医療微生物学で博士号を取得。「ネイチャー」や「ニュー・サイエンティスト」などの一流科学雑誌で記者、編集者をつとめた後、独立。海洋考古学から遺伝子工学の未来まで、先端科学の専門家として執筆活動をおこなう。現在ロンドン在住
木村博江[キムラヒロエ]
東京都生まれ。国際基督教大学を卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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さつき
挫躯魔
ゆずこまめ
Emily050221
黒豆