出版社内容情報
週刊誌記者に担ぎ出され、失踪した弁護士の弟を捜す売れない作家・鈴島陽一。人権派の弟が弁護を担当していた「死の天使」事件とは?
社会派&サプライズ・ミステリーの傑作
週刊誌記者に担ぎ出され、失踪した弁護士の弟を捜す売れない作家・鈴島陽一。人権派の弟が弁護を担当していた「死の天使」事件とは?
内容説明
人権派弁護士の弟はなぜ消えたのか?家族を捨てて我が道を行く弟・薫は“死の天使”こと嶌崎律子の弁護を買って出た直後、謎の失踪を遂げる。
著者等紹介
太田忠司[オオタタダシ]
1959年、愛知県名古屋市生まれ。名古屋工業大学電気工学科卒業。大学在学中の1981年に「帰郷」で星新一ショートショート・コンテスト優秀作に選ばれる。1990年、『僕の殺人』で長篇デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
71
実父の死のあと、相続の手続きのため必要に迫られて家族と断絶中の弁護士の弟・薫を探すラノベ作家の鈴島陽一。死刑制度の是非、人権派と呼ばれる弁護士の主張。「死の天使」嶌崎律子の禍々しさ。色々と考えさせられる作品ですが、スッキリはせず。2019/03/03
Yuna Ioki☆
56
824-27-27 太田忠司作品初読み。自殺は良いことか?、それとも悪いことか?という問題提起なのか?積極的に勧めはしないが、個人的には周りの人間の誰にも何の迷惑もかからないなら個人の自由なんじゃないかなとは思うが。。。生きてることが無条件で楽しい人なんて殆どいないだろうしなあ。人形の作者については早い段階で予想つくよなあ。堀のしぶとさが解決に導いたのかなあ(解決したのか判断に迷うが…)2015/01/26
したっぱ店員
36
まがまがしくも美しい、死の天使の絵や人形の小道具で彩られたやや陰鬱でホラーっぽい雰囲気。なのに音信不通な弟を探すきっかけが「相続のためにハンコと署名が必要だから」という、めちゃめちゃ現実的なとこがなんだか好き。銀行に出す書類はほんとめんどくさいんだよね…。ただ、ストーリーは人権派弁護士とか死にたい人たちとか色々盛り込まれてた割に、それらとベクトルのちょっと違うどんでん返しでまとめられてて、やや消化不良感。あと堀記者が気持ち悪い。(個人の感想です)2017/02/04
ミュポトワ@猫mode
28
図書館本。なんだかてんこ盛りな本でした。本筋はミステリーなんだと思いますが、人権派弁護士や死刑制度などのセンシティブっていわれている内容の話が含まれています。作者の意見だけではなく、できるだけ中立を保っている感じですね。まぁ偏り気味ではありますが、それは人間が書いているので当たり前でしょう。でもなんでこんなに盛りだくさんなんですかね?文藝春秋だから?前読んだ文藝春秋の本も盛りだくさんだったし、そういうの路線なんだろうなぁ、きっと。っで、これラストが良い感じですよ。ミステリーとしてね。そうくるかって感じで2018/12/03
むつぞー
22
難しいテーマも扱っていますので、スッキリとした読後感とは言えません。 サプライズに驚きはするけれど、でも読みどころはそこじゃない。 ともかく人を理解するというのは確かに難しいことですね。 弁護士の方々の意見は分かるけど納得するのは難しいです。どうしても被害者に感情移入してしまうのが人情ってものでしょうし。 そして巧みに自殺へ向かわせるという被告も、もちろん理解できない。 でもだからこそ考えるものがありましたし、簡単な答えをつけてしまったらこの作品の魅力はなくなるのだと思います。2014/07/25
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