出版社内容情報
戦前、戦中の野球界を背負った沢村栄治、景浦将たち。戦場に散り、靖国に眠る彼らの汗と涙と血にまみれた短い野球人生が問いかける。
東京ドームの脇に「鎮魂の碑」という名の石碑が建っていることをご存知だろうか。
昭和五十六年(一九八一年)、後楽園球場の時代に造られ、東京ドームの完成に伴って今の場所に移築されたこの碑は、先の大戦で戦死したプロ野球(職業野球)の選手たちの御霊を鎮めることを目的として建立されたものである。「建立の趣旨」として、次のような言葉が刻まれている。〈第二次世界大戦に出陣し、プロ野球の未来に永遠の夢を託しつつ、戦塵に散華した選手諸君の霊を慰めるため、われら有志あいはかりてこれを建つ〉
この碑には、計六十九名の選手が祀られている。名前の列記の中には、沢村栄治のように一般的に知られている著名な選手の名前もあれば、殆ど無名の方もいる。本書では、この碑に名前の刻まれている野球人たちの中から六名を選び、その生涯を紹介する。
更に、一口に「戦場に散った野球人」と言っても、それはプロ野球の選手だけではなく、学生野球で活躍した者たちも少なくなかったことを踏まえ、「伝説の大投手」こと嶋清一についての章を加えており、計七名の生涯の記録ということになる。この石碑に内包されている血と涙の記憶とは、どのようなものだったのか。時代の不条理とは常に単層構造ではありえず、その実相を描くには百万言あっても足りないが、僅かなりとも鎮魂の一助とすることを目的に著者が精魂こめて書き下ろしたノンフィクションです。
第一章 巨人軍第一期生の最期・新富卯三郎。第二章 戦前のタイガースを支えた元祖スラッガー・景浦将。第三章 墓石に刻まれた「G」の刻印・沢村栄治 第四章 ビルマに消えた炎の名捕手・吉原正喜。第五章 「伝説の大投手」の淡き夢・嶋清一。第六章 朝日軍のエースの行方・林安夫。第七章 特攻を志願した元プロ野球選手・石丸進一
内容説明
東京ドームの脇に「鎮魂の碑」という名の石碑がある。大東亜戦争(太平洋戦争)で戦死したプロ野球選手たちの御霊を鎮めることを目的として建立され、計六十九名の選手の名前が刻まれている。本書では、この野球人たちの中から沢村栄治など六名を選び、その生涯を紹介する。さらに、学生野球で活躍した「伝説の大投手」こと嶋清一も取り上げている。計七名の野球人たちの血と汗と涙の、一球入魂のメモリアルドラマの数々…
目次
第1章 巨人軍第一期生の最期 新富卯三郎(一九一五年~一九四五年 享年三十)
第2章 戦前のタイガースを支えた元祖スラッガー 景浦將(一九一五年~一九四五年 享年二十九)
第3章 墓碑に刻まれた「G」の文字 沢村栄治(一九一七年~一九四四年 享年二十七)
第4章 ビルマに消えた炎の名捕手 吉原正喜(一九一九年~一九四四年 享年二十五)
第5章 「伝説の大投手」の淡き夢 嶋清一(一九二〇年~一九四五年 享年二十四)
第6章 朝日軍のエースの行方 林安夫(一九二二年~一九四四年 享年二十二)
第7章 特攻を志願した元プロ野球選手 石丸進一(一九二二年~一九四五年 享年二十二)
著者等紹介
早坂隆[ハヤサカタカシ]
昭和48(1973)年生まれ。愛知県出身。ノンフィクション作家。『昭和十七年の夏幻の甲子園戦時下の球児たち』(文春文庫)で、第21回ミズノスポーツライター賞最優秀賞&第2回サムライジャパン野球文学賞ベストナイン賞をダブル受賞。日本文藝家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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