出版社内容情報
航空業界の低迷に親会社の危機。人員削減の重圧とエリート出向社員の思惑に翻弄され、人のいい遠藤が遂に、折れた。感動の空港物語。
なんだって、あの遠藤が出社拒否!?――航空業界の低迷に親会社の危機。人員削減の重圧とエリート出向社員の思惑に翻弄され、人のいい遠藤が遂に、折れた。感動の空港物語。
航空業界に吹き荒れる逆風のなか、遠藤たち空港で働く大航ツーリストの現場にも人員削減の圧力がかかってきた。あと三か月後には成田空港所が閉まり、グランドホステス業務は大航エアポートサービスに委託される。その時点で半数がリストラされてしまうのだ。本社出向組のカスタマー事業部部長の星名は、感じよく丁寧に理詰めで苦境を乗り切ろうと何かと遠藤にも声を掛けるのだが――。OGの復帰とセンディング業務で立て続くミス、これはいったい何が原因なのか。「常にお客様のため」にトラブルを奇跡的に解決させてきたスタッフたちの奮闘に胸が熱くなる連作短編。
内容説明
なんだって、あの遠藤が出社拒否!?笑って怒って、感動の空港物語。
著者等紹介
新野剛志[シンノタケシ]
1965年東京都生まれ。立教大学社会学部卒業後、旅行会社勤務を経て、1999年『八月のマルクス』で第45回江戸川乱歩賞を受賞。2008年、『あぽやん』が第139回直木賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
158
旅行会社の空港所で働く人たちのお話。主人公の遠藤くんの一人称なのが最初と最後しかないという今までとはちょっと変わったスタイル。仕事に行こうとするけど足が進まない圧力に苦しむところ、読んでる方も辛かった。自分の働いている会社が危機に瀕したときに自分の仕事に思い入れがあればあるだけ精神的に大きな変化が起こるんだなあと考えさせられた。2015/12/05
hiro
112
ナショナル・フラッグ・キャリアの経営破綻、それによるリストラ、サービスよりも効率化、そして遠藤がひいてしまった心の風邪。2でも業務委託化という予兆もあったが、思いもよらないに重い展開となった。今回はいろいろな人の視点の話で構成されていたが、やっぱり‘おっさん’には遠藤のピンチヒッターで空港所に戻ってきた今泉視点の「かりそめハードボイルド」の話が一番良かった。このシリーズも『あぽやん3』で終わりだろうか。遠藤と森尾のその後が気になるけれど・・・。2015/05/14
あすなろ
79
シリーズ3巻、年末年始で一気読み読了。まだ続くのかな?さて、本巻は、大航の破綻で今迄登場した空港関係の登場人物等が、それぞれの振り返りをし、かつ、新たな一歩を描くという展開。結果、一巻と三巻が読者としてはスムーズに受け止められた。兎に角、森尾という占い的には最悪という関係を乗り越え、かつ、仕事の大転換期を顧客のため、部下のために一途に乗り越えた主人公に良かったねと言ってあげたい。年末年始の読書として、自身の仕事も考えながら読んでしまいました。後、海外旅行へ行きたい‼︎2015/01/04
みかん🍊
70
あぽやんシリーズ第三弾、主役の遠藤だけでなく空港に関わる周りの人々目線でも描かれている。不況で経営の厳しい会社の中で心のこもったサービスを貫く遠藤の一途な頑張りが涙を誘います。ドラマを見たので、遠藤が伊藤君、今泉が柳葉さんに脳内変換されてしまいます。それぞれの空港エピソードも感動的でした。2014/09/18
あつひめ
65
あぽやんの時にも感じたけれど、空港から飛び立つまでにはたくさんの人のお世話になっているんだなぁというのがひしひしとこの3巻目でも感じられる。そして、その人たちの熱い想い。旅行客の旅のお供に笑顔を添えるようなサービス。ただ、この不況時期には、企業として考えるところもたくさんあるだろう。モヤモヤしながら読み進めたが、遠藤君の新しい門出、プライベートも充実すればいいね。今度、旅をする機会があったら、ダラダラしないであぽやんたちの手を煩わせないように気をつけたい。2015/08/09