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歌川国芳猫づくし

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  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163900377
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

猫をこよなく愛した異色の浮世絵師・歌川国芳と、彼を慕うひと癖もふた癖もある弟子たちによる、愉快でほろりとくる謎解き時代小説。

反骨の浮世絵師、国芳が猫にまつわる謎に挑む。

江戸後期を代表する浮世絵師、歌川国芳。閉塞した社会状況を打破すべく、お上への批判や、滑稽な戯画、そして力強い武者絵を描き、同じ時代を生きた広重や国貞とは、また異なる持ち味で、多くの江戸っ子を魅了した稀代の浮世絵師が、一番愛した動物が猫でした。
そして、国芳は、その人柄を慕い、浮世絵師以外にも、特に、三遊亭円朝、月岡芳年、河鍋暁斎といった、後世著名となる多彩な人物たちをはじめとして、大勢の弟子を抱えたことでも知られています。
本作は、NHKドラマ化された『妻はくの一』シリーズや、そして江戸の怪事件を解決する『耳袋秘帖』シリーズなどの時代小説で、好評を博す著者が、老境に差し掛かった国芳を主人公に据え、老若男女さまざまな一癖も二癖もある愉快な弟子たちと、身の回りに起きた「猫」にまつわる事件を解決する、愉快で、ほろりとくる謎解き時代小説です。

普段は気風がよく威勢のいい国芳も老いが忍び寄り、ふと垣間見せる気弱な一面を見せ、そして、死を前に最後の恋への淡い憧れをいだくようになります。そんな絵師ならではの繊細な一面も描きつつ、そこから国芳の絵にこめられた想いを、風野真知雄ならでは、温かく、そしてユーモアあふれる筆でお楽しみください。

内容説明

お上を恐れぬ威勢の良さで知られる国芳も、老いの戸惑いから、死への興味と、そして最後の恋への憧れが泡のように、ぽつぽつと浮かぶ。そんななか、八匹の猫と、一癖も二癖もある弟子たちに囲まれた彼の周囲では、次々と「猫」にまつわる大事小事が起きて―。数々の人気時代小説で知られる著者が、持ち味の諧謔と哀感に溢れた筆致で、猫のいる日常と、淡い恋心を豊かに描きだします。

著者等紹介

風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年福島県生まれ。立教大学法学部卒業。雑誌記者を経て、作家となる。93年「黒牛と妖怪」で第十七回歴史文学賞を受賞し作家デビュー。2002年に、第一回北東文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

118
ニャンニャンニャンの日に「猫の図書館」にて。最初のお話だけ。国芳は浮世絵画家だが、春画も描く。歳を取ってから、真面目な男が春画を描きたいと弟子入りする。そして国芳のところから、猫が一匹いなくなる。街では猫さらいが横行し、三味線屋に売られたりしているらしいが…。取り憑かれた男は、あはれでおかしいものよのお。2017/02/22

mocha

87
猫づくしと言ってもそれほど猫まみれじゃなく、とても面白かった。実在する人物や作品、謎解き、人情、ほんのちょっぴりファンタジー。国芳の訳ありな妻と姑は史実なのかな?北斎の娘・お栄の話が印象に残る。下っ引きから十手持ちへと駆け上がって行く松吉の人物描写もいい。江戸の風情か国芳の人柄か、物語も「ま、いいさ」とサラリと流れていく。2018/12/11

なゆ

79
絵師の話は、結構苦悩してたり変わり者だったりするけれど、国芳は弟子たちと八匹の猫に囲まれて、わりと普通に淡々といろいろ描いている。が、描くことメインではなく、国芳の周りでおこる妙な出来事の謎解きである。猫がらみの謎が多かったのかな。べらんめえ調の国芳と、国芳を見張る下っ引きの松吉のキャラがいい。北斎の娘お栄が転がり込んできたり、広重と火花を散らしたり、いろいろな絵師の名前も出てくる。弟子の芳年が血みどろ絵に目覚めたかのような話も面白い。〝老いの戸惑いと最後の恋〟…、か。もっと続きが読みたいくらいの面白さ。2017/09/27

レアル

70
読みやすいし面白い!こちら歌川国芳が主人公の連作短編。人間味あふれる国芳を小気味な文章で描いている。短編1作1作に猫が登場する微笑ましさも良いし、粋なおじさま国芳の人物描写も目に浮かぶ。時代小説プラスαミステリと読んでいて楽しいし、読んでいる間はふんわりとした温かい空気にが周りに漂っている感じがまた心地よい。ただ私の国芳の絵の知識が乏しいせいか、敢えて注文を言えば絵も載せて欲しかった。でもまぁ、絵を検索しながら読むのも新たな発見があって面白いと言えば面白いのだが。。2017/01/06

ぶんこ

68
初読み作家さんでしたが、宇江佐真理さんと文体が似ているので、読んでいる間ずっと宇江佐真理さんを読んでいると錯覚していました。 国芳の事も宇江佐真理さんの他の作品に北斎やお栄さん等と出てきていたので面白かったです。 大らかで可愛い人という感じでした。 猫好きというのが一番好感度大かな。 お栄さんにも優しいし、師匠の名を騙った元お弟子にも優しいのに、お上にはだまし絵を作ってる反骨精神があってカッコいいです。 2015/12/15

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