辞書になった男―ケンボー先生と山田先生

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  • サイズ B6判/ページ数 347p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163900155
  • NDC分類 813.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

一冊の辞書をともに作っていた二人の男はやがて決別し、二冊の国民的辞書を作った。ことばに人生を捧げた見坊豪紀と山田忠雄の物語。

2013年にNHKBSで放映され、ATP賞最優秀賞(情報・バラエティ部門)に輝いた、『ケンボー先生と山田先生~辞書に人生を捧げた二人の男』がついに書籍化!
辞書は小説よりも奇なり。 これはことばに人生を捧げた二人の男の物語です。
『三省堂国語辞典』と『新明解国語辞典』を知っていますか? 両方合わせて累計三千万部の国民的ベストセラーです。お世話になった人、なっている人も多いでしょう。
でも、この二冊を書いた見坊豪紀(ひでとし)と山田忠雄のことはほとんど知られていません。この二人、実は東大の同期生。元々は二人で一冊の辞書を作っていました。
その名は『明解国語辞典』。
戦時中に出されたその辞書は字引の世界に新たな新風を吹き込みました。
戦後も二人の協力関係は続きますが、次第に己の理想を追求して別々の道を歩みはじめ、見坊は『三省堂国語辞典』を、山田は『新明解国語辞典』(赤瀬川原平さんの『新解さんの謎』でブームとなった辞書です)をほぼ一人で書き上げることになりました。
一冊の画期的な辞書を作った二人の人生が、やがて戦後辞書史に燦然と輝く二冊の辞書を生みだすことになったのです。
しかし――。『新明解』が出された一九七二年一月九日。 ついに二人は訣別のときを迎えます。以後、二人は会うことはありませんでした。
一冊の辞書がなぜ二つに分かれたのか? 二人はなぜ決別したのか? 二人の人生をたどりながら、昭和辞書史最大の謎に迫ります。
ディレクターが番組では割愛したエピソード、取材秘話、放映後に明らかになった新事実などを盛り込んで、書き下ろした傑作ノンフィクションです。

内容説明

一冊の辞書(『明解国語辞典』)をともに作ってきた二人はなぜ決別したのか?なぜ一冊の辞書が二つ(『三省堂国語辞典』『新明解国語辞典』)に分かれたのか?―昭和辞書史最大の謎がいま、解き明かされる。NHKで放映された傑作ノンフィクション(ATP賞最優秀賞)。

目次

はじめに 「光」と「影」
序幕 『三国』と『新明解』
第1幕 「天才」と「助手」
第2幕 「水」と「油」
第3幕 「かがみ」と「文明批評」
終幕 「人」と「人」
おわりに こ・と・ば

著者等紹介

佐々木健一[ササキケンイチ]
1977年、札幌市生まれ。早稲田大学卒業後、NHKエデュケーショナル入社。ディレクターとして『にっぽんの現場』、『仕事ハッケン伝』などの番組を担当し、日本語バラエティ『みんなでニホンGO!』、哲学番組『哲子の部屋』の総合演出を手がける。NHK以外でも『ヒューマン・コード』(フジテレビ)、『知られざる国語辞書の世界』(BSジャパン)などの特別番組の企画・制作を行った。『ケンボー先生と山田先生~辞書に人生を捧げた二人の男~』は、2013年4月にNHKBSプレミアムで放送され、第三〇回ATP賞最優秀賞(情報・バラエティ部門)を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

233
タイトルがいい。辞書を作った、でなく「辞書になった男」。辞書に魂を売り、取り憑かれ、呑まれてしまい、ついに辞書そのものになってしまった、対照的な二人の巨人。 決定的なある時点を挟んで、二人は決別するのだが、その時点の特定が、サスペンスを読むようでドラマチック。佐々木健一の考古学者さながらの、”真実”を掘り起こす手練手管が鮮やかだ。2020/01/24

マエダ

108
これは凄い。二人の辞書編纂者のおいたちも勿論面白いが、ミステリー仕立てで進んでいく話の内容に引き込まれてしまう。時点:「一月九日の時点では、その事実は判明していなかった」2016/10/06

おいしゃん

100
読書会でのオススメ本。いやぁ面白かった!国語、文章が好きな人なら、間違いなくゾクゾクできる。二人の辞書職人が、それぞれ固い信念のもとで、違ったベクトルの辞書を作り上げてゆくさまが描かれるが、まさに三浦しをん「舟を編む」のノンフィクション版といったところ。終始「舟を編む」の映画のシーンが頭によぎり、どっぷり入り込むことができた。やっぱり「ことば」は面白い!今度「新明解」もじっくり読んでみたい。2015/06/19

へロム

94
辞書に個性があるとはこの本を読むまで思ってもいませんでした。辞書の言葉の定義は普遍的なものであって、言葉の意味さえ分かれば良いと思っていましたが、認識を改めました。ケンボー先生と山田先生の二人の辞書編纂にかける情熱とその確執は想像を絶する内容で、分厚い本にも関わらず、ページを捲る手がとまりませんでした。小説ではありませんが、「舟を編む」に優るとも劣らないと思います。オススメです。【図書館本】2015/12/04

kinkin

94
1冊の辞書、「明解国語辞典」を編纂してきたケンボー先生こと見坊豪紀と山田先生こと山田忠雄。のちに二人は「三省堂国語辞典」と「新明解国語辞典」に分裂することになる。その経緯や、言葉集めに全力を注ぐ辞書編纂人の数々のエピソードや苦労について書かれている。ケンボー先生の「ことばは、静かに生まれる」、山田先生の「ことばは不自由な伝達手段である」という言葉が印象に残った。三国と新明解について、「客観」と「主観」、「短文」と「長文」、「かがみ」と「文明批評」という対比もなるほどそうかもしれないと思った。2014/03/31

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