その峰の彼方

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  • サイズ B6判/ページ数 492p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163900025
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

愛する人々を残し、単身厳冬のマッキンリーに挑み消息を絶った津田。山に登ること、生きることの意味を問いなおす山岳小説の最高峰。

警察小説、冒険小説の世界で確固たる地位を築き、『還るべき場所』『未踏峰』『春を背負って』など、山を舞台にした力作でも知られる笹本稜平さん。本作は北米大陸最高峰・マッキンリーが舞台の本格山岳小説です。最高の技術と精神力を持ちながら、ただ純粋に山と対峙することを願い、日本の登山界と距離を置く孤高のクライマー・津田悟は、ヒマラヤよりもマッキンリーを愛し、最難関である厳冬の未踏ルートに単身挑み、消息を絶ちます。愛する妻は子供を身ごもり、アラスカを舞台にした大きなビジネスプランも進行中。なのになぜ今、彼はこのような無謀なチャレンジを行ったのか。大学時代の友人・吉沢をはじめとして結成された捜索隊は、壮絶な山行ののち、脱ぎ捨てられた上着や手袋を見つけてしまう。津田にいったい何が起きているのか? 極限状態の向こう側にたどりついた人間は、自らの生と死と、どのように折り合いをつけるのか。感動のドラマが待ち受けています。

内容説明

孤高のクライマー・津田悟は厳寒のマッキンリーに単身挑み、消息を絶った。捜索隊に加わった親友・吉沢は、愛する家族を残しての無謀な挑戦を知り、悟のある言葉を思い出していた。「あっちの世界に引きずり込まれそうになる」―やがて捜索隊は、悟の生の痕跡に接し、驚愕する。悟は生還できるのか?そしてその生命の、魂の行方は?

著者等紹介

笹本稜平[ササモトリョウヘイ]
1951年、千葉県生まれ。立教大学社会学部社会学科を卒業後、出版社勤務、フリーライターを経て、2001年『時の渚』で第十八回サントリーミステリー大賞と読者賞を同時受賞。2004年『太平洋の薔薇』で第六回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雪風のねこ@(=´ω`=)

124
予想外に長く感じられる物語であった。殆どが津田の救出であったし、津田が冬季単独登頂に挑んだ理由も中々明らかにされないからだ。それでも難渋苦渋する救出は手に汗握るし、情景の描写も多く朧気ながらもどんな様子であるのか思い浮かべる事が出来る(ガイド達が饒舌過ぎるような気もするけれど)意識不明の津田に合わせて、これまで不明瞭だった登頂の様子を描く構成は素晴らしいと思った。人々はより生き延びる為に自然を隔離し社会を創った。しかし同時に生きる意義を失ったのあった。(続く2016/11/20

koba

108
★★☆☆☆2014/04/05

ガクガク

72
「人生の意味」をより困難な登山に求め続ける孤高のクライマー津田悟が、「最後の挑戦」として厳冬期の単独登攀に挑んだ北米最高峰マッキンリーで消息を絶った。荒れ狂う吹雪と雪崩を突いて捜索に向かうガイド仲間、日本から駆けつける大学時代の親友吉沢とOB高井、生還を信じる身重の妻祥子と精神的師のインディアン・ワイズマン。絶望と希望の状況が刻々と交錯する中、果たして彼は救われるのか? 自分がなぜ生きるのかその答えを「その峰の彼方」に求める男の魂の山岳彷徨小説。登山描写は最高に素晴らしいが、登場人物がいささか饒舌過ぎ。 2014/05/05

キムチ

52
「還らざる」に感動し、笹本氏を追い始めた。「春を」は期待に添って楽しめた。で、これはう~んだった。確かに山を愛する、取りつかれる人種は多いし、それだけの感動を与えてくれる。かくなる私も仕事上のスランプをかなり救ってくれた。そんなゴミみたいな山愛好者だからかもしれないが、このボリュームを持ってして感動はなかった。感動の大安売りは好きでないが、筆者は何かしらを与えんとして執筆したのだと思いたくて、延々と読み続けた。夢枕氏の「神々の」も凄いボリューム・・でも一枚一枚丹念にページをめくる感情は途切れなかった。2014/04/07

それいゆ

52
植村直己さんがマッキンリー登頂後、下山途中で遭難したときの状況を描いたのがこの小説なんだなあ!という思いで読みました。結末をあそこまで引っぱらなくてもという気もしますが、消息を絶った津田の魂の叫びを表現したかったのだということで納得しました。2014/02/01

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