出版社内容情報
名手・吉田篤弘が贈る、おかしくく哀しく奇妙で美しい、色とりどりのおもちゃ箱のような短編集。
もういちど、ガリヴァーを呼び戻すために--。
名手・吉田篤弘が贈る、おかしくく哀しく奇妙で美しい、色とりどりのおもちゃ箱のような短編集。
内容説明
もういちどガリヴァーを呼び戻すために―。名手・吉田篤弘が贈る、おかしく哀しく奇妙で美しい、色とりどりのおもちゃ箱のような短編集。
著者等紹介
吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を行っている。2001年、講談社出版文化賞・ブックデザイン賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
87
建築ツアー@神戸居留地でみんなで行った、今は亡き海文堂で購入した1冊で どこか違う場所を舞台にする短編集。印象的なのは:『イヤリング』の女性はミステリアスな部分を自分の目で探ってみたいのですよ⇒の箇所について、確かにそうゆう側面はあるように思いますね。この十文字の相談所はシリーズ化したら面白いかも…。『名前のないトースターの話のつづき』のパンを焼くと文字が浮き出て食べると文字が聞こえるパンもなかなか面白い。2014/01/11
Norico
54
吉田さんらしい?のかしら、不思議な短編集。雰囲気や語感がよくて読んでしまうけれど、「ご両人、鰻川下り」あたりは読んでも読んでもよく分からないまま。表題の「ガリヴァーの帽子」も最後?????となってしまい。分からなさも含めて物語の世界なんだ、と自分の読解力のなさを棚に上げて読みすすめます。「イヤリング」「名前のないトースターの話」が好きです。2015/05/17
けんとまん1007
50
相変わらずの吉田ワールド。文体自体は馴染みがあるのだが、今回は、物語によっては入りきれないものがあった。こちらの感性の問題なのかなあ~。読むときの精神状態で違うのかもと思う。それでも、キュッとひねった感じは、好きだなあ~。装丁とか挿絵もバッチリ!2014/07/17
Mumiu
49
女房という名の男。言葉のアイデンティティっていったい⁉な感じ。個人的にはシャンパンの泡の話が実はすきです。あの、まさに彗星のひと流れの輝きのような刹那の言葉たち。漠然と、苦しまない死って人魚姫みたいに泡になっちゃうなんてどうかな?と思っていたけど、泡自身の終焉はそれなりに「あ〜っ‼」な疼みを伴っていそうなので考え直したほうがよさそう(^^;;だなと感じた。たまに眠くもなりながら、ぼんやりと浮遊感を愉しんだ。2013/10/24
あんこ
45
なかなか異色の短編集だったのではないでしょうか。『圏外へ』のような振り回されるお話もあれば、ほっこりするお話、すこし寂しいお話など様々です。ギャルソンの話はいつか違う本で読みましたが、改めて素敵だと思いました。今回の短編集は、どこか異国風で、なんとなく知っているような懐かしいかんじがしました。あとがきも吉田さんらしくて面白かったです。今回、ゴセンシとトースターの話がお気に入りになりました。2013/09/12