離れ折紙

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163817804
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「騙すか、騙されるか」関西の骨董業界を巡る丁々発止をテンポよく描き、芸術への欲望をあぶり出す絶品の美術ミステリー短編集。

コンゲームの名手による異色の骨董ミステリー

「騙すか、騙されるか」関西の骨董業界を巡る丁々発止をテンポよく描き、芸術への欲望をあぶり出す絶品の美術ミステリー短編集。

内容説明

『唐獅子硝子』―遺品整理のお礼にアールヌーヴォー期のガラスレリーフを貰った洛鷹美術館の澤井は、ひと商売思いつく。『離れ折紙』―刀剣収集が趣味の医者・伊地知は、パチンコ屋の徳山から、刀を担保に金を貸してほしいと頼まれるが…。『雨後の筍』澤井の元に、古美術商の坪内が、写楽と並ぶという絵師の上方浮世絵の版木で揃えで持ちこんできた。『不二万丈』―売った贋作がバレて返金を求められた“ふろしき画商”矢口は、浅川美術館の「不二」三連作に目をつける。『老松ぼっくり』―大阪の骨董通りに店を構える立石には、素性不明だが、持ち込むものは逸品ばかりの仕入れ先がいた。『紫金末』―同級生に美人の画商から絵の購入を依頼された澤井は、同僚と、作者の遺族に鑑定を依頼するが…。アールヌーヴォー、刀剣、浮世絵、日本画…。関西の美術商たちの丁々発止。『騙されたら負け』の骨董の世界を軽妙に描く、美術ミステリ。

著者等紹介

黒川博行[クロカワヒロユキ]
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学美術学部彫刻学科卒業。大阪府立高校の美術教師を経て、83年に「二度のお別れ」が第1回サントリーミステリー大賞佳作。86年に「キャッツアイころがった」で第4回サントリーミステリー大賞を受賞。96年に「カウント・プラン」で第49回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kyokyokyo3201

60
骨董の世界がこれほど魑魅魍魎が跋扈する場所だったとは。それだけ人を引き付ける深い魅力があるということか。初の黒川作品だったが狐と狸の化かし合いを面白おかしく読んだ。2015/12/09

キムチ

55
最近は「・・鑑定団」を見ないけど ファンだった私にはうってつけのお話ばかり6つの中篇。文福・・の焼き直しという事もあるけど、こういった小話は何度読んでも楽しい。マハさんものとは雰囲気が異なっており、私にはこっちの方がしっくり合う。関西在住のせいか、地名カンもあり、固有名詞も耳馴染み。関西弁が心地よくテンポを付けてくれている。骨董関係は胡散臭いし、キュレーターなるものはカッコマン以外の何物でもない・・と思った時もあったので笑う笑う。装丁は奥様によるもの・・まさに2人3脚。いい雰囲気を醸すお味でした・・はい。2013/12/18

ケイ

55
なにわのヤクザの話が得意な黒川さん。今回は珍しく美術品のサギ、舞台は京都。とはいっても、本人は京都の芸大ご出身なので、本当はこちらが専門なのかもしれない。贋作を作ったり、騙したり、美術品の偽物を見抜くのは本当に難しそうだ。それをみなさん、高いお金でやり取りしているから、収集家というのは、思い切りがいるものだなあと思った。2013/12/07

紅はこべ

53
黒川さんが腐を書いているのが意外。実は初黒川なので、先入観なんだけど。美術をテーマのミステリって、北森鴻さん(未だに早世が信じられない)、門井慶喜さん、藤田宜永さんとか色々読んだが、この小説程、美術骨董を金銭的価値と結びつけている作品はない。えげつないほどだ。澤井というキュレーターは、学芸員というより詐欺師紛いの商売人だ。美術の専門家にはそういう悪どい素質が必須なのかな。2015/01/21

吉田 光貴

45
しばらく読メをサボっていたので随分前に読み終えた印象。面白かったが、やはり黒川さんは長編しかもシリーズ物が断然いい。2017/08/21

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