孤愁―サウダーデ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 668p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163817408
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

父・新田次郎の未完の絶筆を息子・藤原正彦が書き継いだ。幕末のポルトガル人モラエスが見た日本人の美しさ、誇りとは? 感動の大作。

内容説明

外交官モラエスが発見した日本の美と誇り。妻・およねへの愛に彩られた激動の生涯―。新田次郎未完の絶筆を、息子・藤原正彦が書き継いだ。

著者等紹介

新田次郎[ニッタジロウ]
明治45(1912)年長野県生まれ。本名藤原寛人。無線電信講習所(現電気通信大学)卒業。気象庁に勤務しながら作家活動を始め、昭和31(1956)年『強力伝』で第34回直木賞受賞。山岳小説、歴史小説をはじめ幅広い作風で知られ、昭和49(1974)年『武田信玄』などの作品により第8回吉川英治文学賞受賞。昭和55(1980)年2月15日逝去

藤原正彦[フジワラマサヒコ]
昭和18(1943)年満州新京生れ。新田次郎・藤原てい夫妻の次男。東京大学理学部数学科卒業。同大学院理学系研究科修士課程修了。理学博士。お茶の水女子大学名誉教授。昭和53(1978)年、『若き数学者のアメリカ』(新潮文庫)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TATA

37
子供の頃、ロープウェイで眉山に登るとあったモラエス館。行った事もあるはずだけどあまり覚えてなくて、この歳になって初めて読んでみた。そういえば何年か前にリスボンにあるモラエスの生家にも寄ってみた。明治から大正にかけての話。ポルトガル海軍将校だったモラエスはマカオから神戸に移りそこでおよねと出会い、死別後徳島へ。彼の生涯を振り返ると、幸せだったのはおよねさんとの暮らしまで。やっぱりマカオで実質的に失った家族を思えばこその孤愁なのだなと。およねさんを失ってからはずっと哀しみの中、読んでて辛かった。2024/03/30

キムチ27

30
明治中期に訪日し、それまでのマカオにおけるアヘン取締り任務を不本意な形で中絶したモラエス。ポルトガル外交官かつ作家でもある彼は私生活も同じく不本意な形で断つことになった。その哀しみを癒してくれた日本での生活、娶ったよね、愛して余りある風土が1500ページ余りあるボリュームで語られる。以前より読みたくてたまらなかった新田氏の遺作、そしてその手の中で父が息を引き取るのを見取り、バトンタッチして書きまとめた息子の正彦氏。ボケている私には、どこまで父でどこから息子か不明。でも国家の品格を香り高く謳い上げた良作だ!2014/03/18

おおにし

12
表題のサウダーデ(孤愁)とはどういう意味か。主人公モラエスはサウダーデという言葉を何度も発しているがモラエスの人生からはあまり読み取れなかった。小説前半で堺事件に関わった土佐藩士の生き残りの老人がサウダーデについて語る部分がある。過去を懐かしく思い出しそこに甘く悲しく切ない感情に浸りその感情の中に生きることを発見することがサウダーデだと解説している。老人はまた日本人はサウダーデと同じ気持を持つがそれにあたる言葉がないとも語っている。だから哀愁、憂愁、幽愁のどれでもなく孤愁という言葉を当てたのだと理解した。2015/07/10

michel

11
★3.6。ポルトガルの海軍将校モラエス。ポルトガル領だったマカオの港務局副司令を経て、外交官として来日。目の当たりにした日本の美と誇り。妻およねを愛し、孤愁の中で生涯を閉じる。前半は新田次郎による未完の絶筆。その後を、息子である藤原正彦が書き継だ。父新田パートでは、自然描写の精緻とモラエスへの愛を感じる。子藤原パートでは、この物語への誇りや日本愛を感じた。2021/05/14

ヘブンリー

8
「孤愁」と言う言葉は初めて聞いた。日本で成功した外交官であり作家でもあったにもかかわらず、鬱といってもいいムードの中に生き、同時にその「孤愁」を味わい楽しんだモラエス。明治の日本に生きた異邦人の生き方を通して見る当時の世界はひどく美しい。2014/06/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5609948
  • ご注意事項