出版社内容情報
文芸部の海合宿に誘われたクワコー。だが到着早々、水着が盗まれるという事件が発生する。大人気ユーモア・ミステリー第2弾!
内容説明
クワコー、海へ行く!水着とケータイを残して消えた美女。不気味なストーカーの影。日本一の下流大学教師・桑潟幸一が事件解決に乗り出した。
著者等紹介
奥泉光[オクイズミヒカル]
1956年、山形県生まれ。国際基督教大学卒業。93年『ノヴァーリスの引用』で野間文芸新人賞、94年「石の来歴」で第一一〇回芥川賞、2009年『神器』で野間文芸賞を受賞。現在、近畿大学国際人文科学研究所教授。また積極的に音楽活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
173
ボーナス49800円の男。クワコー。相変わらず犬の序列最下位、底辺が板についた男。無くなった答案用紙事件、無くなった水着事件の二編。相変わらず解決するのはジンジンだが。事件の犯人と動機は見え見えだったが、本作の面白さはミステリには無い。文章が心地よく底辺生活を面白おかしく解説する。ザリガニ釣りに紫蘇の葉採集。タダの食材に命を懸ける姿は哀れでもあるが、それでも美味しさには拘る美学がある。2021/05/10
榊原 香織
122
シリーズ?2 面白い。相変わらず毒舌がさえわたる。 ”北関東砂ぼこり的現実主義”とか、”推理小説のネタバレやると、キタカタケンゾーが殺しにくるんだって”、とか、私の笑いのツボにはハマる。 大学ミステリ2件。2024/09/11
KAZOO
111
奥泉さんのこのシリーズ3作目です。いままでも読んでいて時たま脱力感におそわれたりするのですが、最近の大学生や先生の生態というのは誇張はあるもののこんな感じなのでしょうか?私も時たまなのであんまりわからないのですが大学で話すときがあります。学生と親密に話すことはあまりないのですが、ここに書かれているようなことをうらやましく感じる時もあります。2019/06/21
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
84
グダグダな大学准教授“クワコー”が巻き込まれた夏の日の二つの騒動を描いた短編集。一応はミステリーとしての味わいもあるのだが、相変わらずの卑屈さと開き直りで小者臭をぷんぷんさせるクワコーのダメ人間っぷりと、彼を取り巻く周囲の女子学生たちの実のないやりとりを楽しむことこそが本シリーズの真骨頂。本作でも、その期待を裏切らないどころか、見事なまでの脱力感が心地よく、存分に笑わせてもらった。巻を重ねるうちにクワコーに愛おしさすら感じてきたのだが、彼の底辺ライフに未来はあるのか。続巻が出されることを楽しみに待ちたい。2014/01/08
ひめありす@灯れ松明の火
79
赤信号、みんなで渡れば怖くない。夏の始まりのたらちね国際大学を震撼させた校内談合事件を鮮やかに解決しそして迎える夏休み。赤い悪魔と緑の紫蘇、そして青い海蒼い空の下でのバカンス。手作り弁当に麦茶、そして頭には忘れちゃいけない麦わら帽子。ゆったりと流れるはずの夏の一時を切り裂いた黄色い水着の謎。漁労部と文芸部・水着姿の女学生に思わず頬を染め、教授の意外な特技に驚きつつも名探偵クワコーの推理がスタイリッシュに今日も冴える!!←表紙から妄想しました。だってネタバレしたらキタカタケンゾーが殺しに来るって言うから!!2013/01/10
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