出版社内容情報
知恵伊豆を養父として育った健之丞は、実母が耶蘇教信徒として処刑された過去をもっていた──。島原の乱が運命の2人を引き裂く。
内容説明
“知恵伊豆”この賢者なくして「徳川の平和」はなかった。老臣たちの権謀を抑え、江戸城下の建設に腐心する松平信綱に最大の試練「島原の乱」が迫る。松本清張賞作家が為政者の真の勇気を問う意欲作。
著者等紹介
村木嵐[ムラキラン]
1967年、京都生まれ。京都大学法学部卒。2010年、『マルガリータ』で第17回松本清張賞受賞。故司馬遼太郎氏の自宅に勤め、身近で薫陶を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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それいゆ
30
島原の乱を幕府側から描いた作品だと勝手に想像して読み始めましたが、松平信綱の話ではなく耶蘇教の幼児洗礼を受けていたキリシタンの青年の話でした。島原の乱の内情を少しだけ知ることができたのですが、全体的には物語の内容が薄っぺらで主人公の青年や知恵伊豆こと信綱の心の葛藤がもうひとつ私には伝わってきませんでした。水準以上の秀作だとは思いますが、何かもの足りないと感じたのは私だけなのでしょうか?2013/10/04
ハルト
8
国への忠心、父と仰ぐ人への想い、耶蘇教への信仰。ひとりの人間の内にある、引き裂かれる思い。慟哭。美貌と頭脳を持ち、松平信綱を後ろ楯とし、また南蛮医として世に尽くし人から慕われ順風満帆であったはずの人生。切支丹であったことが罪だった時代。かつての少年は何を選び、どのように生きるのか。島原の乱にも話が及び、胸打たれる作品でした。ただ、史実の流れを知る上ではよかったんですが、個人的には信綱か小太郎どちらかにもう少し焦点を絞ってもらえたほうが、よりドラマティックになったかなとも思えました。2012/07/13
asica
6
この時代のこの切り口の本は初めて読むので、すごく面白かった。途中、読みかけてたのがなくなって探すのに四苦八苦、一時間以上かけたのに見つからず、途方に暮れた途端、何度も見たところで発見。あと60ページほどだったので他のにする気起こらず頑張って探したのに、その後がなんだか尻すぼみでがっくり・・・。内容的には司馬さんの弟子だったというのがわかる気がしたが、最後あともうちょっと面白くしてくれたらよかったのに。2013/04/22
あかんべ
4
読後、嗚呼〜とため息が出た。健之丞と信綱には幸せになって欲しかった。信綱は大切な人をまた失ったのね。それにしてもおまきには腹が立つ!登場人物に感情移入できるいい本だと思いました。2012/04/02
あいべきん
2
お仕置きが酷くて…笑顔で処刑される様を思い浮かべるだけで呼吸が止まりそうです。2020/07/02
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