キャパの十字架

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  • サイズ B6判/ページ数 335p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163760704
  • NDC分類 740.253
  • Cコード C0095

出版社内容情報

史上最も高名な報道写真「崩れ落ちる兵士」。その背景には驚くべき物語があった。「キャパ」はいかにして「キャパ」になったのか。

写真機というものが発明されて以来、最も有名な写真――戦場カメラマン、ロバート・キャパが1936年、スペイン戦争の際に撮影した「崩れ落ちる兵士」。銃撃を受けて倒れるところを捉えたとされる写真はしかし、そのあまりにも見事な迫真性が故に、長く真贋論争が闘われてきた。
学生時代より半自伝『ちょっとピンぼけ』を愛読し、キャパにシンパシーを抱き続ける著者は、その真実を求めて、スペイン南部の〈現場〉まで実に4回にわたる旅に出る。粘り強い取材の結果、導き出された驚くべき結論。そして、戦場で死んだ女性カメラマンでキャパの恋人だったゲルダ・タローとの隠された物語とは。
76年間、封印されていた「真実」がついに明らかになる。

内容説明

フォトジャーナリズムの世界でもっとも有名かつ最高峰といわれる「崩れ落ちる兵士」。だが、誰もが知るこの戦争写真には数多くの謎がある。キャパと恋人ゲルダとの隠された物語がいま明らかになる。

目次

第1章 崩れ落ちる兵士
第2章 真贋
第3章 彼の名前
第4章 小麦とオリーブ
第5章 その丘で起こったこと
第6章 突撃する兵士
第7章 ゲルダ
第8章 影は語る
第9章 ラスト・ピース
第10章 キャパへの道

著者等紹介

沢木耕太郎[サワキコウタロウ]
1947年、東京都生まれ。横浜国立大学卒業。79年、『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年、『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、85年、『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞、2003年、菊池寛賞、06年、『凍』で講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

185
NHKスペシャルで放映された沢木耕太郎のノンフィクション。戦場カメラマン ロバート・キャパが1936年スペイン内戦で撮影した「崩れ落ちる兵士」の真実を丹念に追う。この写真は本当に銃撃されたところを撮影したものなのか 本当にキャパが撮影したのか、恋人のゲルダが撮影したものではなかったのか・・沢木耕太郎らしく丹念に描いていくが、だが取材の目的はキャパの虚像を剥ぐことではなく「キャパの背負った十字架」を時代を遡り体感することだったような気がする2013/06/08

ウッディ

93
ロバート・キャパの代表作「崩れ落ちる兵士」その一枚の写真に隠された真実を追っていくルポルタージュ。時代背景や、構図の中の動き、撮影場所を調査してゆく、丁寧な検証が論文のようでした。真実がどうであろうと、多くの事を考えさせる1枚であることには変わりない。2017/08/11

みっちゃん

78
読友さんのつぶやきで読んでみたくなりました。「ロバート・キャパ」高名な戦争カメラマン〜という以外、何も知識がなかったので、その名が「ペンネーム」だった事、イングリット・バーグマンの恋人だった事、40歳でベトナムで地雷で命を落とした事などから興味深かったです。その彼を世界的に有名にした世紀の戦争写真【崩れ落ちる兵士】に疑念を持った筆者が、何度もスペインに赴き、大量の文献・写真にあたり、様々な角度から推論を進めていく様子には唸らされました。導き出された結論には「うわっ!」と声が出ました。2013/03/31

けい

75
スペイン戦争を象徴する写真「崩れ落ちる兵士」を撮ったキャパの写真の真実を筆者の純粋な探究心で追及していく様子を描いた作品。ドキュメンタリと思われるが、筆者の筆力のなせる技か、写真の不可解さがなせる技か、まるでミステリー小説の様に読ませてくれます。やがてノルマンディー上陸作戦でとらえた「波の中の兵士」に至るキャパ自身が背負った十字架の重さ、そして沢木さんをここまで捕えてしまった写真の魅力と戦争の悲しさを感じずにはいられませんでした。2013/09/11

yooou

60
☆☆☆☆★ マグナム、キャパ、そして崩れ落ちる兵士は僕にとってもフォト・ジャーナリズムの原点というべき存在でした。であるが故に手にし難い部分がありましたが、避けて通ることもできず漸く読みました。仰天であります。地を這うような調査を続けた沢木氏に拍手喝采です。そして苦悩を引きずるキャパの生き様。これまで以上にキャパを好きになりました。2013/07/25

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