出版社内容情報
心の隙につけこむ技術がある。いつ、どんな人が、どんな時に心を支配されるか。どうすれば解けるか。古今東西の豊富な事例で解説する
内容説明
理性的な若者をカルトに引き込み、テロリストに変貌させるマインド・コントロール。しかし、その技術は彼ら反社会的集団だけのものではない。心を操る技術は、国家的な規模で研究されてきた長い歴史を持つのだ。パブロフが先鞭をつけ、CIAも追随した、行動を操る技術。人をある種の極限状態に置き、意のままに動かすこの技術は、反体制的な人物をコントロールするため、かつて東側諸国の国家機関が利用した。一方、フロイトに代表される心理療法は、その後、天才催眠療法家ミルトン・エリクソンがその技術を大きく発展させた。心を気づかれないうちにある方向へと誘導する「イエス・セット」や「ダブルバインド」などの技法は、エリクソンが考案したものだ。これらの技術の集大成は今、広告戦略や怪しげな人心誘導術として“民間活用”されている。著者は、パーソナリティ障害や依存症の治療にも通暁した精神科医。本書では古今東西の事例を辿りながら、その正しい原理と解毒法、そして人の心を支配するタイプ、されやすいタイプなどについても分析を試みる。
目次
第1章 なぜ彼らはテロリストになったのか
第2章 マインド・コントロールは、なぜ可能なのか
第3章 なぜ、あなたは騙されやすいのか
第4章 無意識を操作する技術
第5章 マインド・コントロールと行動心理学
第6章 マインド・コントロールの原理と応用
第7章 マインド・コントロールを解く技術
著者等紹介
岡田尊司[オカダタカシ]
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退、京都大学医学部卒、同大学院高次脳科学講座神経生物学教室、脳病態生理学講座精神医学教室にて研究に従事。現在、京都医療少年院勤務。医学博士。山形大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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