出版社内容情報
亡き父が遺した日記には娘への愛、家族との不仲、そして恋人との魂の交流が記されていた。生と死、家族を問い直す入魂の感動作
幼い頃に家を出て、新しい家族を持った父は晩年パーキンソン病を患い、最期は口を利くこともできずに亡くなった。遺された手紙や短歌から見えてくる、後妻家族との相剋、秘めたる恋、娘である「私」への想い。父の赤裸々な「生」を振り返ることで、生きる意味、死ぬ意味、そして、家族という形のありようが見え、物語世界に光が差し込んでくる──。
恋愛小説を中心に、濃密な心理描写で知られる作者の新境地ともいえる本作中に引かれた短歌は、亡くなられた作者の実父が実際に詠んだもの。作者の「何か不思議な力が書かせた作品で、私にとっての生涯の勝負作です」との言葉の通り、心の奥底を静かに、深く揺さぶる傑作です。
内容説明
パーキンソン病を患い、沈黙のうちに亡くなった父。遺された文書と手紙には、絶望に直面してもなお、家族や恋人への愛、短歌への情熱と共に生きたその揺るぎない足跡が刻まれていた―。圧倒的な人間讃歌。生きるとは?死ぬとは?家族とは?著者渾身の感動作。
著者等紹介
小池真理子[コイケマリコ]
1952年、東京生まれ。成蹊大学文学部卒業。89年「妻の女友達」で第42回日本推理作家協会賞(短編部門)、96年『恋』で第114回直木賞、98年『欲望』で第5回島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で第19回柴田錬三郎賞、『無花果の森』で2011年文化庁芸術選奨文部科学大臣賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
遥かなる想い
ミカママ
美雀(みすず)
ぶんこ