日産その栄光と屈辱―消された歴史消せない過去

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  • サイズ B6判/ページ数 421p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163756905
  • NDC分類 537.09
  • Cコード C0095

出版社内容情報

なぜゴーンの軍門に下ったのか。たった一人の経営者のせいで名門企業でも簡単に潰れてしまうことを示唆した、珠玉のドキュメント。

いまのゴーンCEO率いる日産は知っていても、かつて日本の名門企業だったころの日産を知るひとも少なくなりました。「スカイライン」「サニー」「フェアレディZ」と名車を次々と世に出し、企業人気ランキングでも必ず上位に入っていたほどの優良企業でした。その栄光ある日産が潰れてしまったのはなぜなのか。その「消されてしまった歴史」を当事者取材を丹念に重ね、まさに屈辱の歴史、「消せない過去」を掘り起こしたのが本書です。それはたった一人の経営者の戦略ミスでした。彼の名は石原俊。190センチ近くの巨漢で容貌するどく、メディアに人気の経営者でした。トヨタを追い越せと大号令を掛け、手当たり次第に海外進出を繰り広げ、英国への工場進出を図ります。その豪腕経営者に待ったをかけたのが、川又克二会長と労組トップの塩路一郎でした。英国に進出すれば日産は経営危機に陥る、この強い危機感で二人は石原社長と対峙します。両者は血みどろの激突を繰り返し、時の総理側近をも巻き込むかたちで、一大スキャンダルへと発展していきます。結果,石原が勝ち、塩路は会社を去ります。アメリカ進出こそ急務であったはずが、なぜ英国に進出してしまったのか。我々はその後に日産がどうなったか、すでに知っていますが、当時メディアはこぞって石原体制を賛美していたのです。ひとりの経営者が戦略を誤り、独裁体制を敷いて暴走したら、どんな優良企業も潰れてしまう、かつての日産は経営の「失敗の本質」を示す格好の教材となるでしょう。そして、いかにルノーに呑み込まれたのか、その海外での舞台裏を明らかにするともに、ゴーンの経営手腕の限界を見抜いていきます。本書は、ホンダ、トヨタに続く著者の自動車三部作の完結編となります。

内容説明

熾烈な労使対立、経営トップの不協和音、怪文書、スキャンダルの捏造、社長の“詫び状”、労組幹部の裏切り…。その行き着く先が外資への身売りだった。そして復活。本書は「日産帝国衰亡史」である。

目次

誰が会社を壊したのか
崩壊の前兆
「一年を十月で暮らす自動車屋」
幻に終わったアメリカ現地生産
哀れなガラクタプロジェクトの末路
竜頭蛇尾のVW提携
英国進出、ダボハゼの総仕上げ
暗礁に乗り上げる
“鉄の女”サッチャー首相来日
会社は誰のものか〔ほか〕

著者等紹介

佐藤正明[サトウマサアキ]
ノンフィクション作家。日本経済新聞記者時代の1982年、「トヨタ・GM提携交渉に関する特報」で、新聞協会賞(ニュース部門)を受賞。1996年、「ホンダ神話教祖のなき後で」で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。自動車産業の取材はすでに40年を超し、「ホンダ神話」と「トヨタ・ストラテジー」は米国、中国、インドネシアでも翻訳出版されて高い評価を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawaken1216

2
トヨタと熾烈なシェア争いをしていた名門 日産が、なぜルノーの傘下に入るまで追い詰められたか?を検証している本書。しかし内容は一貫して石原社長の戦略ミスのみ。労使との対立についてだけでなく、もう少し多面的な視点でなぜ日産が追い詰められたのか?を描いて欲しかった。2014/01/05

みねお

2
日産を扱った高杉良の小説では、労組の会長をボロクソに描いていて、すごい違和感を感じたものだが、一方でここまで持ち上げられても、んー?とも思う。2012/12/01

SS

1
事実も立場が変わればそのコメントが異なる。 ”初め面白うて、やがて哀しき、、”2012/11/14

Hiroki Nishizumi

1
全編を通して凄まじい内部権力闘争の記録。著者は日産凋落の原因をあるトップに求める。ある判断を実施していれば今頃日産はトヨタを抜いていたとも書いてある。真偽のほどは議論が出るかも知れないが、仮にそうだとしてもそのような人物をトップに持ってきた企業自身に帰せられる問題なのだろう。しかし人の器とは難しいものだ。スケールは違うが似たような話は間近に聞くことも多い…2012/11/09

sohmah147

0
高杉良の小説とこの作品を読むと、おおよその事情が伺える。 80年代の日産低迷にはこんな裏があったとは・・。2014/10/17

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