出版社内容情報
朝吹真理子・村上春樹・大江健三郎…気鋭の文芸評論家が現代の文学を日常的な視線でジャーナリスティックに論じた画期的文芸論。
内容説明
複数の表現者たちの諸著作を徹底的に分析し、従来とはまったく異なる、文学表現における一つの系譜を明らかにする―ステファヌ・マラルメが残した驚異的な書物『ディヴァガシオン』の最後を飾る「重大雑報」に由来する、批評の新しい姿を本書は提示する。巻末の「表現のゼロ地点へ」では三島由紀夫、大江健三郎、村上春樹という最も創造的な現代日本文学の起源について一つの解答を明確に指し示す。気鋭の文芸評論家による、まったく未知なる時評=批評のかたち。
目次
第1章 書物
第2章 詩
第3章 神話
第4章 解釈
第5章 偶然
第6章 祝祭
第7章 砂漠
第8章 革命
第9章 迷宮
第10章 舞台
第11章 死
第12章 世界
表現のゼロ地点へ―三島由紀夫、大江健三郎、村上春樹と神秘哲学
著者等紹介
安藤礼二[アンドウレイジ]
1967年、東京都生まれ。文芸評論家。多摩美術大学美術学部准教授、同芸術人類学研究所所員。2006年、『神々の闘争 折口信夫論』で芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2009年、『光の曼陀羅 日本文学論』で大江健三郎賞、伊藤整文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
4
初出紙 『文學界』 2011.01~12 マラルメ論 彷徨する 狂人のうわ言、蟾言 現代における「雑」な報告…金、糾弾、禁域、魔術、牧歌、孤独、対決、宮廷、擁護救済…即物的な対象の選定から詩というべきか 聖と俗が渾然一体となった文体を用いた変幻自在の『ディヴァガシオン』 感銘を受けた著者は実践として、そこから「雑報」を初出紙に編集。 書物 詩 神話 解釈 偶然 祝祭 砂漠 革命… 現代の文学の有り様を知りたければこれを読め。文芸評論家が現代の文学を日常的な視線でジャーナリスティックに論じた文芸論。2012/12/17
AR読書記録
0
好きな本の題名がわりと出てくる.でもいずれも,何で好き?と問われたときにとてもここに書かれたような内容を含む答えは出てきそうにない,「なんかうまくいえないけど好き」.これを読んで「そうかそういうとこが好きだったんだ」「そうかそういえば繋がっていたね」みたいな感想も全然出てこない... つまりまあ,難しかったんです.わかんないです.ただ,とりあえず自分の嗅覚はあながち変な方向へ走ってそうでもない.そこをいずれ自力で認識し言語化できるように,徐々に知恵をつけていきたい所存です.(感想になってない)2013/06/27
tamioar
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博覧強記ぶりにビビったが、全部薄味で途中で飽きた。2013/05/11
トックン
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ジュネの文学の可能性とは「現実と想像力を一つに重ね合わせるイマージュを介して、そのイマージュを文学の言葉として定着」させることだけだ、という文学による緩やかな現実への介入を信じようとする態度に、惹かれるものがあった。安藤氏の本の読後感は佐々木中の本を読んだのと同じようなものがあると感じた。2013/03/02
rinrin
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【BOOK-204】!!!!!!!!2012/09/29