昭和天皇〈第6部〉聖断

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  • サイズ B6判/ページ数 369p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163755205
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C0095

出版社内容情報

本巻は真珠湾攻撃から終戦までを扱う。聖断はいかに下されたか。「文藝春秋」好評連載中の著者ライワーク、クライマックスへ!

昭和天皇とその生きた時代を丸ごと描き出す著者のライフワーク第六部。本巻は、昭和16年の真珠湾攻撃から、昭和20年の終戦までを扱う。緒戦の快進撃もあえなく、ミッドウェー海戦、ガダルカナル、サイパン陥落、マリアナ沖海戦……と戦況は悪化の一途を辿る。軍神山本五十六を失った日本軍は、ついに無謀な特攻作戦に突き進んでいく。一方、銃後では小学生たちが疎開を強いられ、文学者や芸人たちは仕事の場を狭められていった。そして、東京大空襲、戦艦大和沈没、同盟国イタリア・ドイツの降伏、硫黄島玉砕、沖縄戦……ついに帝国の命運が尽きる日が近づいてきた。広島・長崎の原爆投下、そして「聖断」はいかに下されたのか。
昭和天皇が戦争終結に向け、自らの退位も視野に入れ軍部の説得にあたった過程が、近年さまざまな資料によって明らかになってきた。その成果を駆使しながら、著者は文芸評論家ならではのビビッドな筆で、裕仁その人の苦悩を鮮やかに描き出す。あの戦争は何だったのかを振り返るのに格好の一冊。
登場するのは、東條英機、源田実、辻政信、嶋田繁太郎、小磯国昭、山下奉文、大西瀧次郎、木戸幸一、近衛文麿、中野正剛、獅子文六、川口松太郎、武田泰淳、伊藤整、山田風太郎、無着成恭、ミヤコ蝶々、古川ロッパ、杉村春子、志ん生、スターリン、チャーチル、ルーズベルト、ヒットラー、ムッソリーニ、ボース、キャパなど数十人以上。

内容説明

ミッドウェー海戦を機に戦局は悪化の一途を辿る。山本五十六の戦死、サイパン陥落、東京大空襲…戦争終結の道を探り、苦悩する君主。そしてついに運命の御前会議がやってきた。天皇という軸の下に、現代史のあらゆる事件、人物を描く傑作評伝。

目次

真珠湾
ミッドウェー海戦
戦果奉告
国葬
ムッソリーニ失脚
戦時の君主
東條失脚
神州にありて
特攻
近衛上奏
東京大空襲
皇居炎上
原爆投下さる
聖断

著者等紹介

福田和也[フクダカズヤ]
1960年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。同大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。現在、慶應義塾大学教授。文芸評論家として文壇、論壇で活躍中。93年『日本の家郷』で三島由紀夫賞、96年『甘美な人生』で平林たい子文学賞、2002年には、『地ひらく―石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

18
『昭和天皇』第六巻は、真珠湾攻撃から敗戦までを描く。華々しい戦果も束の間、昭和十八年に彼の人は東條の資質に疑問を抱き、木戸と腹を割って終戦工作と講話についてすでに語り合っている。自らが調停しないといけないまでに陸軍と海軍の仲は悪化し、彼の人の懊悩は深まるばかり。政治家や軍人ばかりでなく、多くの文化人が登場するのも、このシリーズの読みどころだ。本巻で言えば、大宅壮一、獅子文六、ミヤコ蝶々、志ん生などがそう。先日『富士日記』中巻を読んだばかりだったので、武田泰淳の名が出てきたときは「おっ」と思ってしまった。2017/02/19

勝浩1958

1
「彼の人は調停者として自らの意志、判断を明らかにし、政治的に振る舞う事を余儀なくされるようになっていく。」という個所には少々疑問符をつけたい。「君臨すれども統治せず」というイギリス風の立憲君主制を貫こうとしていたと記憶しているのだが。それとも立憲君主制を貫く姿勢が、政治的に振る舞うことなのか?うーん、よく解らない。2012/11/10

めめ

1
昭和天皇の動向が、戦時下の様々な人々の様々な場面でのエピソードに埋もれてすっかりぼやけてしまっている。タイトルが昭和天皇である以上、彼の人に重点を置いた上で周囲の動きを描き出して欲しかったと思う。2012/10/02

0
先帝陛下はたいへん偉大な方で、私は日本史における最後の偉人(最後の歴史上の人物、と言い換えてもよい)だと思っています。テレビに映るのは飄々とした人物像ですが、二度の大きな決断を成しています。一つは二・二六事件(将校らを「反乱軍」と断定)、もう一つの決断はポツダム宣言受諾の決断です。これがなければ日本国内が敗戦を受け入れず、いつまで戦争が続いたかわかりません。戦争は、始めるよりも終わらせる方が難しいのです(全員、全構成員を殺すのならともかく、戦争の最終目的は「講和」であって、これは「政治」の役割である)2012/11/24

daioh

0
どうも表層的なエピソードをなぞっただけで面白くないんだよなぁ。2012/09/08

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