出版社内容情報
18万部のベストセラーとなった被災地の子どもたちの作文集「つなみ」。そこに、原発に苦しむ福島の子どもたちの作文を加えた保存版。
内容説明
18万部のベストセラー『つなみ』完全版。岩手、宮城、福島の子どもたち総勢115人の感動の作文集。大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
目次
名取市・仙台市若林区・東松島市
石巻市・女川町
南三陸町
気仙沼市
陸前高田市
釜石市・大槌町
福島県警戒区域
著者等紹介
森健[モリケン]
ジャーナリスト。1968年東京都生まれ。早稲田大学法学部卒。「文藝春秋」「週刊文春」をはじめ各誌で人物ルポ、経済記事を中心に執筆。著書の『「つなみ」の子どもたち―作文に書かれなかった物語』で、被災地の子供たちとともに、第43回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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文庫フリーク@灯れ松明の火
83
【お願い】東日本大震災の辛い記憶が甦る方は、どうかこのレビューを飛ばして下さるようお願い致します。辛い思いをして頂く事は本意ではありません。吉村昭氏『三陸海岸大津波』の「子供の眼」という章からの着想「伝え続けるべきもの」として子供たち本人の意志・保護者の同意を得たとは言え、子供たちに震災体験を書かせる事は当初、私自身それは酷いのでは、と思えました。巻末の子供たちの写真一覧と、小児の命と向き合ってきた医師の言葉・著者後書きが無ければ、手にすることはなかった本。感想は下のコメント欄より始めさせて頂きます→2014/03/20
瑪瑙(サードニックス)
27
東日本大震災を経験した岩手・宮城・福島の子供たちの作文及び絵画を集めた本。幼い子供たちがあの震災をどのように体験し、どのように感じ、どのように思ったのか。読んでいて切なくなりました。過酷な体験をしていながら、ほとんどの子供たちが感謝の言葉を書いているのが、本当にいじらしくてなりませんでした。特に福島の子供たちの作文は、胸に迫るものがあり、思わず涙しました。福島に戻りたいという子供たちが多くて、本当にその願いが叶う日が来るのだろうかと思うと辛かったです。2015/07/22
ヒラP@ehon.gohon
25
今ごろなんで10年前の作文集を読むのだろうとも思うのですが、子どもたちから伝わってくる生なましい声が、出版当時は辛かったからだと思います。 地震で被災した子どもたちが、一年過ぎたときに、思いを文字にするだけ落ち着いたことに感心しつつ、心に残る悲しみが軽くはないことを実感しました。 文章を書いた子どもたちが、今どうしているのか、気にかかります。2022/03/29
saga
22
子ども目線での東日本大震災。拙い文章に籠められた思いと、編者の聞き取りによる作文に籠められなかった思いを知り、胸がつまる。地震・津波に遭い避難生活を送る子ども達の前向きさや明るさも知ることができた。避難所で友達と遊ぶ楽しさを書く小中学生が多く、本当は楽しいことばかりではないだろうに、救われるような気がした。原発事故に起因する避難は、他の地区とは別の過酷さだ。避難所を転々とさせられ、より遠くへ避難した子(家族)は、謂れのないいじめ・中傷に遭っていた。受入側の態度に、それがごく一部だったとしても憤りを感じる。2013/06/05
水無月
17
再読。8年前に購入した本と微妙にタイトルが違っている。今年は追悼式が無いので本を読んで振り返る。流されていく家や車を見た子供たちのショックは計り知れない。文面から改めて津波の恐ろしさを思い知った。2020/03/10