出版社内容情報
美智子さまが少女時代の読書の思い出を語られ感動を与えた講演。これは同時に、世界の子供たちに希望と平和を願う祈りの本です。
内容説明
皇后 美智子さまが語る少女時代と読書の思い出。
目次
子供時代の読書の思い出
皇后様とIBBYの人たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
66
聡明な方。刊行直後に手にした。今も眼前の書棚に。我輩自身は子供の頃は貸し本屋通いつめ。ほとんどが漫画だった。童話や絵本は眼中になかった。お袋が読んでくれることもなかった。映画館に行ったことも(連れてってくれたことも)なかった。物語どころじゃなかった。
zero1
59
読書は翼。幼い頃の読書経験が人を形成する。それは聖心女子大(英米文学)を首席で卒業後、【粉屋の娘が皇室の嫁に】なった美智子上皇后でも変わらない。98年インドで行われたIBBY(国際児童図書評議会)でビデオ出演。神話の話は新鮮(後述)。レオーニやトールキン、ワイルドにチャペック、ケストナーやトウェインなど実に多彩。詩もヴァンダイクやブレイクなど登場。薄いのに内容は濃い。「飛ぶ教室」で知られるケストナーの「絶望」は知らなかった。探さなければ。また「でんでん虫のかなしみ」(新美南吉)も読まねば。後半は英訳。2021/06/08
ぶんこ
53
美智子様がインドで開催された国際児童図書評議会でのビデオでの基調講演を本にしたもので、日本語と英語で収録されていました。疎開していた頃に読まれた本のお話が多かったのですが、最も印象的だったのが国による敵国と教える教育の弊害でした。「英米は敵。フロストやブレイクの詩も、もしこうした国の詩人の詩だと意識していたら、何らかの偏見を持って読んでいたかもしれません。」と。子供をより良い道へと教育する国の責任と重さを痛感した瞬間でした。2019/07/26
Yukie Hirayama
6
大好きな美智子さまのお心に触れたいと思い、自分の子ども時代の読書体験を思い出しながら、再読しました。私もこの本読んだぁと嬉しくなったり、知らない題名・作者を目にすると、どんな本かなぁ?と読んでみたいと思います。TVの画面から伝わってくる美智子さまの優しさは、穏やかな精神の安定を与えてくれ、癒され、生き方のお手本となります。『本を通して、自分の根っこ・喜びと想像の強い翼を持つ、痛みを伴う愛を知る・・・』すべて、じんわりとしみ込んできます。そして、お話のボランティア活動を継続してく上で、最上級の心の支えです。2014/02/01
R As Well
3
偶然、歯医者の待合室にあった本が子どもたちを支えているとぼくは思う。本書は、当時皇后であった美智子様が自身の子ども時代の読書体験について語った講演録である。子どもたちにとっての読書について話されているが、大人になっても読書の「橋をかける」効果は変わらないだろう。当時核実験が行われ、政治的に難しい状況にあったインドにおいて皇后として講演することの重責も含めて、とても素晴らしい講演だったのではないかと思う(調整した方々にも頭が下がる)。公務の合間でまど・みちおの英訳を担当された話などは知らなくて面白かった。2024/06/19