炎上―1974年富士・史上最大のレース事故

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炎上―1974年富士・史上最大のレース事故

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  • サイズ B6判/ページ数 357p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163751603
  • NDC分類 788.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

レーサー2名が焼死、1人が業務上過失致死で書類送検された大事故の真相とは。モータースポーツの暗部を描くドキュメント巨篇。

日本レース界最大のタブーに挑む

 一九七四年、富士スピードウェイで四台のマシンが爆発炎上、レーサー二名が焼死、観客六名が重軽傷を負うレース史上最大の事故がありました。悲劇の舞台は「富士グランドチャンピオンレース」第二戦。スタート直後に先頭付近の二台のマシンが接触、一台がスピンして後続集団に激突して起こった多重クラッシュでした。しかし事件はその後、意外な展開を見せます。静岡県警が事故原因をつくったレーサー一人を業務上過失致死の疑いで書類送検したのです。ぶつけたのは果たして故意だったのか? 『炎上 一九七四年富士・史上最大のレース事故』は長年、日本レース界最大のタブーとされてきた大事故の真相を、ノンフィクション作家の中部博さんが関係者への丹念な取材で解き明かしていきます。喧嘩まがいのドライビング、ワークスチーム間の仁義なき争いなど、モータースポーツの光と影を描き切った渾身のドキュメント巨編です。

第1章 一九七四年のレース事故
第2章 残されたレースレポート
第3章 古いカセットテープ
第4章 レーシングドライバーの記憶
第5章 語りつがれるべき言葉
第6章 一七分間の映像と二枚の写真
第7章 沈黙の挽歌
おわりに

内容説明

1974年6月2日、富士グランチャンピオン・シリーズ第2戦。スタート直後の多重クラッシュから始まった事故は、レーサー1名が書類送検、という意外な展開を見せる。接触事故は故意か、過失か?モータースポーツの光と影を描く傑作ドキュメント。

目次

第1章 一九七四年のレース事故
第2章 残されたレースレポート
第3章 古いカセットテープ
第4章 レーシングドライバーの記憶
第5章 語りつがれるべき言葉
第6章 一七分間の映像と二枚の写真
第7章 沈黙の挽歌

著者等紹介

中部博[ナカベヒロシ]
1953年東京都生まれ。週刊誌記者、テレビ司会者のジャーナリスト時代をへてノンフィクションを書きはじめる。1979年のデビュー作は編著書『暴走族100人の疾走』。一時、執筆活動を断念するも、1988年F1グランプリを取材した『1000馬力のエクスタシー』でカムバック。日本映画大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Stevie G

2
鈴鹿の近くで生まれ育ちイギリスにも長く住んだのでレースが好きで、世界各地のF1もルマン24時間も何度も見に行きました。ラーツェンベルガーとアイルトン・セナが亡くなった1994年のレースはTVで見ていた方も多いはず。スリリングなレースは見たいけれど、若くて勇敢なレーサー達が傷ついたり命を失うようなことは本当に起こってほしくない。この本は、モータースポーツを愛するすべての人たちのそんな気持ちを、2人の素晴らしいレーサーの命を奪った1974年のレースの事を検証することで見事に訴えているように思えました。2012/07/14

nar_yoshi

1
中部さんの作品は、過去に『1000馬力のエクスタシー/HONDA-F1世界制覇への道』を読んだ記憶がある。このルポも力作。 "ひとりのレースファンが観客席から撮影した写真は、このレース事故の原因が、観客不在のレースにあったということを考えさせた。観客という見る側の視線を、見られる側のチームやレーシングドライバーが忘れていたのではないか。 プロフェッショナルのレースを成立させる最大の要素であるレースファンと観客の視線をないがしろにして、自分たちの都合だけでレースをやったところが破れ目になったと思えた。"2023/06/18

本能寺轟

1
雑誌連載中から興味深く読んでいた作品。自分が、レース関係に強く惹かれる以前の出来事だが、国内レース史を語る上で避けて通れない重大事故の真相を探るドキュメント。 存命する関わったレーサーほぼ全員にインタビューしており、その内容も豊富。レースの安全性に対する考え方が全く異なる時代の話なので、その点は、十分考慮の上で、読まねばならない。 様々な手掛かりを集めつつ、最後に著者がたどり着いた結論は、正直はっきりしてるとは言えない。が、その微妙な切れ味の悪さも、一度当事者処分の結論が出された事故ゆえにやむ得ない所か。

narihira

1
ル・マン完走直後の井原慶子さんの講演を聞きました。 「安全は全てに優先する」んですね、今は!2013/05/15

カワセミ440

1
もう38年が経ったんだ。新聞の一面記事は忘れられません。先日富士SWの30度バンクに行ってみました。良くこんな所をフルスロットルで走り抜けられたもんだ!ここで何人亡くなったんだろう。何度もあのレースの検証をした雑誌の記事は読んだけど、ここまで踏み込んだリポートは無かったと思う。当時は黒沢元治だけが悪かった・・そう言う論調だったけど。そういう不幸な事故が何度もあってやっとドライバーの安全が考慮されていく事になる。雑誌の連載で細切れに読んだ時と違って、纏めて読むと中部さんの書きたかった事が少しは解る気がする。2012/10/29

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