出版社内容情報
初当選翌年の39歳で、悪性リンパ腫を発症以来、直腸、前立腺、下咽頭……。4度のがんを乗り越えてきた政治家の闘病の記録──。
内容説明
初めての「がん告知」は39歳のとき。それから35年の間に、直腸、前立腺、下咽頭…。妻と秘書にも秘めていた闘病のすべてを明かす。
目次
第1章 初当選から十ヶ月で「余命二年」
第2章 落選中のがんで良かった
第3章 放射線治療は楽なもの?
第4章 初めて書いた「遺書」
第5章 入院しながら血塗れの選挙
第6章 がん患者であることに夢中にならない
著者等紹介
与謝野馨[ヨサノカオル]
1938年東京生まれ。東京大学法学部卒業。中曽根康弘氏の秘書を経て、76年に衆議院議員初当選。文部大臣、通産大臣、自民党政調会長などを歴任。安倍内閣では官房長官、麻生内閣では財務・金融・経済財政の3閣僚を兼務した。自民党を離党し、2010年に「たちあがれ日本」を結党。民主党菅政権では経済財政担当として入閣。政界随一の政策通として知られ、筋金入りの財政再建論者である
青木直美[アオキナオミ]
医療ジャーナリスト。千葉県生まれ。最先端の医療現場から患者まで取材し、月刊誌・週刊誌を中心に執筆。健康、食などのテーマのほかに、伝統芸能・映画・舞台などの著名人インタビューも手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gtn
25
著者が民主党政権下で閣僚入りしたときは驚いたが、本書により真意が分かった。今世残された時間がわずかであることを自覚し、人のために何をすべきか突き詰めて考えた結果であろう。仮に同じ立場なら、著者のように前向きに生き急ぐことができるか自信がない。2021/03/18
kasmin
6
政治のことは詳しくないけれど与謝野馨さんのファンでした。激務の上に、たったひとりで長い闘病生活を耐えてこられました。とても辛抱強く。「自分の中で決めていたのはただひとつ。医師から提案された治療はどんなに苦しいものであっても全部やろう」と。本当に全うしてこられました。とてつもなく強い方です。達観してるわけでも特別でもない。冷静に病気を見つめながら生きる。病気を抱えていても「日々普通に暮らすことこそ充実した生活である」☆普段から定期的に検査を受ける。☆体に異変を感じたらそのままにせず、診てもらうこと。2014/06/09
西澤 隆
5
政治家の本というのは大抵が自分の成果を自慢し「自分は優れた政治家だ」ということをアピールするものだけれど、この本は「政治家の本」というよりも「がんを患いながら働いた患者と主治医の治療とメンタル記録」とでも言うべきもの。30代でのリンパ節へのがんからはじまり、いくつものがんについて医者とどんな検討をし、どんな薬を飲み手術や放射線治療をして経過はどうだったのか、前の治療が次のがんのときどう影響を与えたかなどを患者である筆者とドクター両側の視点で振り返る本書は類書のない貴重な記録だと思う。ご冥福をお祈りします。2017/05/30
Ken
4
与謝野馨代議士が初当選の翌年に発症した悪性リンパ腫に始まり、直腸、前立腺、下咽頭と4つの癌と順次闘い続けた35年間が綴られ、担当医の証言も添えられた客観性のある書籍。---発症時に自分で調べた余命は2年と知って、随分と思い悩んだであろうに、当時は不治の病とされ告知も慎重で、風評が政治生命を絶たれかねない中で、家族にも話さず、弱音も洩らさず政治家を続けた。また実母や妻も癌で苦しんだ。国立がんセンターの名医などの介助があってのサバイバルだろうが、闘病癌患者にも希望を捨てずに頑張れとのメッセージにもなっている。2012/07/24
ゆうゆう
1
タイトルを見てぎょっとした。そうかぁ、療養中で最近お見かけしないのね。と、図書館で借りた…とんでもない!!最初のがんが39歳の時、初当選から10か月。政治家人生=闘病人生だったなんて。その当時は、どんなに大変だった事でしょう。か、待てよ、これは今の主流「がんと共生、治療も仕事も家庭も円満」モデルそのものではないか。ご本人、ご家族、周囲の方は、なんか…何となく…と思う事があって口を濁していた時期、検査、治療だって辛かっただろう。今、まさにがんの人を勇気づけることは間違いない。2013/10/13