こうして原発被害は広がった―先行のチェルノブイリ

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  • サイズ B6判/ページ数 405p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163744308
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0098

内容説明

原子炉の爆発から放射能飛散、必死の封じ込め作業、急性被曝による死、情報統制、大規模避難、被害補償、政権内の暗闘…。事後処理で失策・無策を重ね、国民の信頼を失ったソ連は崩壊へ。レベル7―最悪の状況で、ひとはどう生き抜いたのか。危機に直面した人間の強さと弱さを描き、「チェルノブイリについて書かれた本の最高峰」(ボストン・グローブ紙)と評されるノンフィクション。緊急復刻。

目次

第1部 ロシア型原発の誕生(不安は封印された)
第2部 事故(科学の勝利を讃える神殿;原子炉爆発;ヘリからホウ素入りの鉛を投下;避難;放射能汚染水;急性放射線障害;情報統制;「石棺」建設)
第3部 低量被曝(食べ物の汚染;それは被曝によるものか;風評被害と差別;被害の補償;そして国家が崩壊した;被害の決算)

著者等紹介

リード,ピアズ・ポール[リード,ピアズポール][Read,Piers Paul]
小説家・ノンフィクション作家。1941年、イギリス生まれ。ケンブリッジ大学で教養学士、文学修士を取得。『タイムズ 文芸付録』の編集者、コロンビア大学の教員を務めた。現地に幾度も足を運ぶ実証的な手法、正確、精緻な筆致には定評があり、アンデス山中での飛行機墜落事故を描いた『生存者』でトーマス・モア賞を受賞

高橋健次[タカハシケンジ]
翻訳家。1937年、滋賀県生まれ。慶應義塾大学英文科卒。出版社勤務を経て翻訳家

吉井英勝[ヨシイヒデカツ]
1942年、京都府生まれ。衆議院議員(日本共産党)。京都大学工学部原子核工学科卒後、民間企業に入社。東大原子核研究所、東工大応用物理学科に派遣され真空技術などの研究に従事。2005年より、国会でたびたび災害に無防備な原子力発電所の危険性を指摘。津波や地震による冷却システム喪失による、メルトダウンのおそれも質問していた。2011年3月に福島第一原発の事故が起こると、海外を含む各方面から注目が集まった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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(haro-n)

58
チェルノブイリ原発事故のかなり緻密な調査に基づいたルポルタージュ。WWⅡ中からのソ連の資本主義社会への対抗意識から始まりソビエト崩壊に至るまで、原発の共産主義国家にとっての存在意義とその変化が理解できる。建設当初から存在した、共産主義体制自体が抱えていた諸問題が丁寧に語られ、そして事故へ…。ソ連の華々しい業績の一つであった原発。その事故=失敗を共産党は認めることができなかったという。事故の拡大防止に奔走した作業員や消防士達と避難した住民達の事故後の様子、共産党政府の対応等、教訓とすべき内容が多いと思う。2017/10/25

James Hayashi

34
英国人作家によりソ連の原発の歴史と事故の背景を纏めたもの。チェルノブイリ事故が起こる前に何度もソ連内の原発で事故は起こっていた。しかし事故原因など共有されることもなく、電力低下など招くと賞罰の対象となった。原子炉爆発という非常事態。放射能という目に見えない恐怖、統制された報道と秘密主義、積極的に消化に駆けつける職員など30年前の様子が伺える。原因は政治的、心理的、技術的な要因が挙げられるが人的要因が主要因とした複合的なものであろう。続く→2017/12/31

tan_keikei

2
目下進行中の事態について俯瞰する必要がある場合、過去の事例にあたるようにしています。これはチェルノブイリ原発事故について英国作家が綿密に取材し記した本ですのでイデオロギーに染まらず事故の背景、科学信奉国家故の過失、人的要因、被害の様相、避難と避難後の生活と差別、そして事故が引き起こした国家の崩壊について透徹した視点でもって描かれています。登場人物表だけで6ページ、しかも上下段組なので骨が折れると思いましたが、非常に読みやすく小説を読む感覚で読了できました。巻末の吉井秀勝氏の福島原発の解説も非常にわかりやす2011/12/11

elektrobank

1
とても緻密な取材であったことがうかがえる。登場人物が詳細に描かれている。しかしとても読むのが面倒…。事故の背景を描くのに必要だったのだろうけど(^_^;)、そこらへん飛ばし読みしてしまった。オクシデンタル石油のハマーさん、要注意人物ですな。色々なところに出てくるね、この人。2011/09/13

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