昭和天皇伝

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  • サイズ B6判/ページ数 588p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163741802
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C0095

出版社内容情報

日本の命運を一身に背負った君主は、何を決断したのか。昭和天皇の苦悩と試行錯誤、そして円熟の日々。決定版の伝記が、ここに出現した。

内容説明

生気に満ちた皇太子時代、即位直後の迷いと苦悩。戦争へと向かう軍部の暴走を止めようとする懸命の努力、円熟の境地による戦争終結の決断、強い道義的責任の自覚を持って日本再建に尽力する戦後。苦難に満ちた公的生涯のみならず母・貞明皇太后、妻・良子皇后、子・今上天皇と美智子妃などとの生々しい家庭生活にまで筆を費やした、読み応え十分の傑作評伝。

目次

昭和天皇は「現代の君主のなかでもっとも率直ならざる」人間か―はじめに
第1部 皇孫・皇太子時代(期待の男子―明治大帝の初孫;楽しい少年時代―欧州風教育と乃木学習院長;明治天皇への憧れと大正天皇への敬愛―東宮御学問所;新しい世界への目覚め―大正デモクラシー・渡欧・結婚)
第2部 大日本帝国の立憲君主としての統治(新帝としての気負い―政党政治の始まり;誇りと正義感の代償―張作霖爆殺事件;重圧と自信喪失―ロンドン条約・満州事変;国際的孤立と軍統制への不安―国際連盟脱退と二・二六事件;見通しのない戦争―盧溝橋事件・三国軍事同盟;日米開戦への危機―日米交渉・南部仏印進駐;神に祈るしかない―太平洋・大陸での戦い;一撃講和から降伏の決断―本土決戦か敗戦か)
第3部 象徴天皇としての戦後(天皇制を守る―民主化と象徴天皇制の成立;退位問題に揺れる―サンフランシスコ講和;象徴天皇と「戦争責任」への心の傷―日米安保体制と「豊かな」日本への道)
昭和天皇と昭和という時代―おわりに

著者等紹介

伊藤之雄[イトウユキオ]
京都大学公共政策大学院教授・博士(文学)。1952(昭和27)年、福井県生まれ。京都大学文学部史学科卒。京都大学大学院文学研究科満期退学。名古屋大学文学部助教授、京都大学大学院法学研究科教授等を経て、2011年より現職。犬と酒と人間を愛す。確かな史料にもとづいて、明治維新から現代までの政治家の伝記を執筆するのをライフワークとする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tomoichi

17
昭和天皇が崩御し数々の書籍が出たが、決定版と言って良い内容の伝記。司馬遼太郎賞を受賞しているのも頷ける。皇太子・摂政時代、戦前期、戦後と苦難の中で立憲君主としての天皇であり続けた昭和天皇はやはり偉大であるが、その苦悩は読んでいて辛いものがある。また家庭生活における諸問題に踏み込んでおり真の昭和天皇に迫っている。誤った認識に基づくビックスらの作品についても鋭く批判している。靖国神社のA級戦犯合祀問題についての指摘も納得できる分析になっています。大著ですが、オススメです。2017/05/17

yuji

9
天皇は元首であり大元帥であるので暴走する陸軍を統制できないのはなぜなのか疑問だった。天皇は張作霖爆殺事件の対応で田中首相を問責し辞任に追い込んだ。226でも自らの判断で軍を沈静した。しかし若き天皇が君側の奸に影響されたと思われ権威を失墜した。これがトラウマとなり立憲君主として立場を貫くこととなる。しかし数々の経験を経て政治的判断は円熟に達し天皇の聖断なくして終戦は迎えられなった。戦争を止められなかったが君主として道義的責任を死ぬまで持ち、沖縄訪問を望んていたがついにかなわなかった。成長と苦悩の伝記。必読!2024/09/04

かろりめいと

5
太平洋戦争が起きた(自分なりに納得する)理由を探し続けて30年w。大学時から中央公論の「シリーズ日本の近代」、講談社の「日本の歴史」シリーズ、著者の一連の伝記ものなどで、明治憲法の理解、その下での政治、昭和天皇の振る舞い、アメリカの動き、等々にさらに関心が向き、ここまで長かったw。で、最後まで残っていたのが「昭和天皇がその時々でどのような行動・発言をした」で、それがよく分かりました。今のところ、昭和天皇の伝記の決定版だと思います。新憲法下での行動や靖国神社の問題、内奏、もよく分かりました。大変面白かった。2020/06/01

CCC

5
纏まっててとても読みやすかった。また書く内容にムラがなく、とてもバランスが取れていたと思う。普通は書きたい部分かどうかで筆の入り具合が変わったりするものだけど。それだけ中立性に気を使って書いていたということだろうか。2013/05/01

koji

5
本書の最大の特色は、その公的生活を、誕生から死に至るまでの私生活と関連させて、昭和天皇の生涯を論じていることです。著者も言うように、その生き方、喜怒哀楽を通し、読者が自分の人生を見つめ直すことができます。特に、戦争終結にいたる過程でその判断力と尽力に円熟味と威信を増していくさまは、途中で本を閉じるのがもどかしくなるほど凄みを感じさせ、本書の白眉といえる箇所です。戦後の道義的責任の感じ方といい、弟との確執といい、皇后との睦まじさ、美智子妃への労りといい、詳細に描き尽くされています。2011/09/15

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