出版社内容情報
週刊「SPA!」の片隅に、世紀を跨いで連載された博覧強記のニッポン観察。あらゆる社会文化現象から、今を掴むヒント満載の「知の宝船」。
内容説明
『週刊SPA!』の片隅に、世紀をまたいで連載された硬軟自在のコラム「ヤブを睨む」が遂に一冊に。評論家や文化人百人分の咀嚼力。時代を透視し、いまを生き抜くヒント満載。四百本を超えるコラムはすべて知の洗礼です。「怪獣世代」の大器・片山杜秀の全貌が初めてこの本で明かされる。
目次
カリスマと秘宝を失った―山田一雄と中村伸郎
『七人の侍』と『ゴジラ』はとっても似たかたちをしている
橋本治の情念の質には、ちょっとのけぞる
平成の“名付け親”安岡正篤とは何者か?
さびしさに浸りきったとき世界は生まれ変わる
岡本喜八と草野大悟
戦後日本の家族と映画
音の魔法のゆりかご
撮影所システムとは何だったのか?
分身、白昼夢、ちょっとキザ〔ほか〕
著者等紹介
片山杜秀[カタヤマモリヒデ]
評論家、思想史家。1963年、仙台生まれ、東京で育つ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。専攻は政治思想史。昭和末期から、音楽や映画、日本近代思想史を主たる領分として、フリーランスで批評活動を行う。2008年より慶應義塾大学法学部准教授、2009年より国際日本文化研究センター客員准教授。2008年、吉田秀和賞、サントリー学芸賞を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白義
7
片山杜秀という、ちょっと怪人的な評論家がいる。思想史文化史に精通するサブカル文化人にしてクラシック批評界でも際立った個性を放つ人物だ。本書は彼に入門する格好の一冊で、戦前の右翼思想からアングラサブカルまで、多彩で膨大な分野を自由に駆使しながらフラットになった戦後日本に異を突きつける大コラム集。その異は時にゴジラのような破壊願望を身にまとい、ペダンティックな見立てと相まって短文の中に一瞬で読者を引きずり込んでいく。今要注目の評論家の一人だ2012/12/27
ひろただでござる
1
図書館本。書名ほどは面白くなかった。書名から期待されるほど刺激的ではなかった。しかし、平田昭彦…2021/07/18
Daisuke HIROSE
1
『SPA!』連載コラムなのに、これを扶桑社が出してあげないのは、つくづくおかしいと思う。2011/03/20
かみのけモツレク
0
ぜんぜん読み終わらない。ソ連史から原発事故を、歴代内閣の流れから震災を予言していて震える2017/11/27
ニールキャサディ
0
1991年から2002年週刊誌SPA連載のコラムを纏めたもの。著者の音楽への造詣の深さは知っていたが、映画、歌舞伎、小説まで論じているのだが、その教養の深さに驚いた。学者とはこのようなひとであって欲しい。図書館で借りたゴジラ、伊福部昭の音楽と平田昭彦演じる芹沢博士の人物像を楽しみに観ようと思う。2014/03/31