出版社内容情報
自分の生まれ故郷ほど懐かしい場所はない─藤沢周平が愛してやまなかった荘内・鶴岡に関する全エッセイを1冊にまとめたふるさと大全。
内容説明
ふるさとを描いた随想を集成。懐かしくも遠くなりゆく風景。生まれ育った庄内のこと、少年時代の記憶、忘れがたき人々への思いなどを綴った心に沁み入る全四十六篇。
目次
第1部 子供時代
第2部 ふるさとの風景
第3部 忘れられない味
第4部 父の血母の血
第5部 友と恩師
第6部 変わりゆく故郷
詩二篇
著者等紹介
藤沢周平[フジサワシュウヘイ]
昭和2(1927)年、鶴岡市に生れる。山形師範学校卒業。48年「暗殺の年輪」で第六十九回直木賞を受賞。平成9(1997)年1月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
73
春秋山伏記で描かれたような鶴岡近郊の農村で生まれ育った藤沢周平。その故郷への思いが凝縮したエッセイ。子供の頃の遊び、ご馳走など楽しい話しから、意識せずしていた差別や、担任の先生への憧れとプレッシャーにより患うことになった吃音の話しなど、話題は多岐にわたります。藤沢作品の中で武家の次男三男が不自由な部屋住みの身を嘆き、婿の口を欲しがる描写が印象的でしたが、農家も同じような構造で成り立っていたとは!昔は身分に関わらず家が物事の根本だったんだと痛感しました。現代とはまるで違う生活を垣間見て新鮮でした。2024/01/19
ジュール
10
藤沢さんのエッセイ連続して読む。幼い日の農村の生活。長じてのふるさと自慢。月山、鳥海山などを見に行きたい。2022/08/24
Kemmel
4
藤沢周平先生のエッセイから、故郷をテーマにした作品を再編集した1冊。少年時代の思い出等々、故郷への思いが感じられる作品となっています。ただテーマを絞りすぎて、後半の故郷の変化を訝しむエッセイが続くのは微妙かも...。既刊の個別のエッセイ集のほうが内容がバラエティに富んでいて楽しめる気がします。2016/10/27
石川六七八
2
この本は、山形の地方紙や新聞、その他雑誌などに掲載された藤沢周平のエッセイを集めたものである。これまでのものより、尚ふるさとについて細かく言葉が尽くされており、彼の故郷である、黄金村や盾の下周辺の昔や現在のようすについて細密に描かれた一冊といってよいだろう。屋号で書かれた家々のことを、同じ村で生まれたうちの姉たちは知っており、電話で話すとすぐに本屋に行くといっていた。2013/05/09
犀門
2
#059★★★☆☆故郷である山形県鶴岡市に纏わる随筆集。これほどの強い思い入れがあるからこそ、数々の名著が作り出されたのですな。2010/06/11
-
- 和書
- 等身の棋士
-
- 和書
- メグル 創元推理文庫