対論集 発火点

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163717302
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

初の対談集。直木賞を受賞した1999年からこの10年の間で、選りすぐりの12篇を収録。対談の相手は、林真理子、小池真理子、重松清といったエンターテイメント系の作家から、柳美里、松浦理英子といった純文学系作家、はたまた佐藤優、原武史といった言論人から気鋭の映画監督・西川美和まで、多彩な才能が桐野氏と火花を散らします。テーマは、文学論はもちろん、女性論、皇室論といった硬派系から「好みの男のタイプ」までと、これまた多彩。知的刺激満載の1冊。

内容説明

時代に挑み続けるキリノ。直木賞受賞から現在まで、識者十二人との刺激的な論考。

目次

剥き出しの生、生々しい性(松浦理英子)
悪意を小説で昇華させたい(皆川博子)
女は怪物?それとも鬼?(林真理子)
想像は現実である(斎藤環)
いまそこにある危機・ニッポンの男と女(重松清)
極私的オトコ論(小池真理子)
残酷な想像力の果て(柳美里)
星野智幸による「快楽主義者の伝記」(星野智幸)
「見えない貧困」がこの国を蝕む(佐藤優)
座して死を待たず(坂東眞砂子)
象徴天皇制の「オモテ」と「オク」(原武史)
フィクションに潜む真実(西川美和)

著者等紹介

桐野夏生[キリノナツオ]
1951年生。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞受賞。98年『OUT』で日本推理作家協会賞受賞、99年『柔らかな頬』で第121回直木賞を受賞。2003年『グロテスク』で泉鏡花賞受賞。04年『OUT』が日本人としては初めてエドガー賞(MWA主催)の候補になる。同年『残虐記』で柴田錬三郎賞受賞。05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞受賞。08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

竹園和明

34
桐野夏生と一癖ある12人の作家陣との対談集。ゴツゴツした桐野夏生の感性が、相手によって違う角度から照射される。松浦理英子との対談で「人間のむき出しの美を描きたい」という両氏の波長が見事に合い完全に同化。確かに日本の「秘すれば花」という文化は尊いが、感情の原点は怒りや妬みのような負の感情だろう。今度松浦作品を読んでみたい。作風的に真逆な印象の小池真理子とは仲良しの楽しい会話風。とても意外だった。大トリは西川美和。年齢差はあるものの間違いなくお互いを認めている感じが、二人のファンとしては何よりも嬉しかった。2017/09/16

竹園和明

33
【再読】著名な作家ら12人との対談集。今回興味を惹いたのは柳美里との対談で、あの大著『グロテスク』を桐野が書くに至った経緯や何を表現したくて書いたのか…などを柳美里が巧く引き出しているところ。少し前に久々に再読したので非常に興味深かった。一方、林真理子は冒頭で「桐野さんは本当にお綺麗ですね」と桐野の美貌を褒めたかと思いきや、その後も何となく厭味な物言いが随所に出て来て感じ悪い😒。桐野も明らかに構えて対談してる感。美への劣等感が林真理子作品の「発火点」なのかしらね。小池真理子との対談が一番楽しそう。2023/11/17

サトシ@朝練ファイト

22
12人の作家との対談集。もう何年も桐野作品を読んでいなかったので手に取る。「玉蘭」の話が無かったのは残念でした。2018/01/04

昭和っ子

22
シャープな印象の対論集。桐野さんのストーリーの主題は、皆が見ない事にしていながら決然としてそこにある「弱者への圧力」の表明と、そこで虐げられている者のみが持ちうる力のある種の爽快さ、というものだと思った。その力は、思った以上に日本の社会に影響を与えているのではないか、と佐藤氏や原氏との対談で感じた。すごく共感したのは「子供は恐怖の入り口(p138)」という所。柳氏ほどの想像はないが「女は他者の死の方にずっと敏感なんですよ(p136)」というのは母として良く分かる。2015/05/20

魚京童!

20
他人に同調を強いる力がカリスマなんですね。知識にも暴力性があるというのはよくわかる。2014/03/04

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