出版社内容情報
開高健没後二十年 幻のビデオが写真エッセイ集に
戦場取材に疲れ果てた男は森と河に慰めを見出し、釣り人となった。名エッセイスト在りし日の姿、珠玉の言葉で綴る、没後二十年記念刊行。
内容説明
ベトナム、ビアフラ、中近東―戦場取材に疲れた作家は、森と河に慰めを見出し、釣師となった。アラスカの雄大な自然を背景にキングサーモン釣りに挑む開高健の映像をフォトエッセイとして単行本化。開高語録が、二十年の時を経て、いま甦る。
著者等紹介
開高健[カイコウタケシ]
1930年大阪府大阪市生まれ。大阪市立大学法学科卒業後、寿屋(現・サントリー)に入社。57年『パニック』を「新日本文学」に発表し、注目を集める。58年『裸の王様』で第38回芥川賞受賞。64年に朝日新聞臨時海外特派員としてベトナム戦争を取材する。89年食道癌に肺炎を併発し、永眠(享年58)
青柳陽一[アオヤギヨウイチ]
1938年福島県伊達市保原町生まれ。多摩美術大学附属芸術学園写真科在学中から写真家杵島隆氏に師事する。62年フリーとなり、同年、日本広告写真家協会の第1回奨励賞受賞。72年、麻田奈美の写真を雑誌「平凡パンチ」に掲載し、話題を呼ぶ。現在は伊達市保原町にスタジオを構えている。(社)日本広告写真家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
これでいいのだ@ヘタレ女王
9
あれ、感想が消えちゃった。彼の作品はオーパから始まり結構読んでいる。今回アラスカへ行って、実際に自然に河に触れてから再読したら今まで以上にズシンと心に響いた。釣は忍耐、堪え性のない男には務まらない。といってといって、合わせは一瞬。せっかちでないと務まらない。この二つの要素が一緒になった人が釣り師になれる。絶対矛盾的同一。酒と釣りと色を好む。ふふふ三人の釣りする男友達のニヤリ笑う顔が思い浮かんだ。写真もエッセイも良い。これは借りて読むではなく買う事にする2013/10/17
Michi
3
開高さん初読み。というか写真がメインですけど、開高さんの自然に対する優しさのある表現が好き。次は、小説に挑戦したいです。2016/05/31
tama
3
図書館本 書架で出会い 開高シリーズ アラスカの話。当然、呑みながら書いたのでしょうが、開高節たっぷり。「食べ物くらい書きにくいものもない」「自分の生まれた場所がそのまま心の故郷とは限らない。その土地を見つけた人は幸せだ」「何かを手に入れたら何かを失う。これが鉄則。何ものも失わないで何かを手に入れることはできない」「グラスのふちに唇つけたら、とことん一滴残らず飲み干しなさい」「いくらやっても飽きの来ないのを旨口の・・・という。旨口を見つけるには二日酔い・失敗・デタラメを重ねないと何が旨口かわからない」。2015/12/04
むさし猫
2
自分が若かったとき開高健をタダの道楽オヤジにしか思ってなかったが、自分がその年を超えたときに彼の偉大さ大きさ、自分の小ささひ弱さを知り少し後悔。2018/07/01
鈴木正大
1
開高健のアラスカでのサーモン釣りの写真集。著者に因ると釣師と言う人種は色好みでせっかち、短気らしい。 タイトルはロデリックL.ヘイグブラウンの ”A River Never Sleeps” から借りて来たらしい。2021/10/01