内容説明
迫り来る死を前に人はいかに生きるか―昭和天皇から本田美奈子まで、がんと向き合った作家・俳優・音楽家・学者・僧侶・企業人、五十余名の「生と死」のかたち。最期の瞬間まで生を全うした感動のドキュメント。
目次
「意味のある偶然」―武満徹
試練への感謝―山本七平
人生の美学―井上靖・山口瞳・澁澤龍彦・白石一郎・手塚治虫
昭和天皇の最期
己の死をも学ばずには―丸山眞男・中川米造
女たちの生き抜くかたち―千葉敦子・宮崎恭子・森瑤子・重兼芳子・長尾宣子
書くことは生きること―米原万里・絵門ゆう子・山本夏彦・高坂正堯・米山俊直・矢内原伊作
表現者たちの流儀―野間宏・上野英信・国分一太郎・黒田清・日下雄一・五味康祐・石井眞木・青木雨彦・城達也
色即是空のかたち―高田真快・高田好胤
企業人の「生と死」―河邉龍一・河毛二郎・大川功・美川英二・森武志〔ほか〕
著者等紹介
柳田邦男[ヤナギダクニオ]
1936年栃木県生まれ。NHK記者を経て作家活動に入る。72年『マッハの恐怖』で第3回大宅壮一ノンフィクション賞、79年『ガン回廊の朝』で第1回講談社ノンフィクション賞、95年『犠牲(サクリファイス)わが息子・脳死の11日』などで菊池寛賞、97年『脳治療革命の朝』で文藝春秋読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星空の挑戦者
4
著名人の人生最後の生きざまドキュメント。個々にその追跡の様子は素晴らしいのだが、これだけのボリュームは少し疲れる。2011/04/20
がっち
3
がんで死んでいった著名人の死にざまを追跡していった本。病気になっても、その命を輝くもの、人生をまっとうするものなどさまざまな人間がいた。人生のはかなさを知ると同時に、自分の人生を彼らいじょうに生きてみたいと思う。2012/01/10
すかお
3
正直疲れました。最後まで読む気がなくなってしまいました。たくさんのがん闘病記。それのエッセンスがわかり、人間はやっぱり産まれた途端に死へのカウントダウンが始まっていることが改めてわかりました。そして、自分がもし、ガンになり、生きる期限を示されたときに、どうやって考え、どう生きようか?と考えたら、もう読めなくなってしまいました。ひとつだけ分かったのは、ここに出てくる人たちは本当に社会的にも地位があったり、それなりの人で、死がわかってもその仕事に生命をかけて取り組んでいた、ある意味羨ましい生き方であった。ボク2010/07/13
ももも
1
あぁヒトってこんなに強くてこんなに温かいものなんだ。2010/02/08
としき
0
癌だけでなく人は何時か必ず死を迎える!避けては通れない道!この歳になると、自ずとこの死をどう迎え入れるか考えることがある。著者は「身体性の命が失われても精神性の命は受け継がれる」「死は生きるための通過点」というが果たしてそこまで悟ることが出来るのだろうか?先日観た、若き棋士の映画「聖の青春」で、持ち時間が無くなり秒読みになる場面があった。聖は短い人生と知り将棋の厳しい世界と戦いながら、癌とも秒読みの闘いを挑み続けて「生きられる時間」を全うした。自分も通過点などと思わず、聖のように生きられる時間と戦いたい。2016/12/08
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- 長嶋少年 文春文庫