がんと闘った科学者の記録

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  • サイズ B6判/ページ数 366p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163709000
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

ニュートリノ観測によりノーベル賞が確実視されていた物理学者・故戸塚洋二氏が科学者ならではの冷徹な視線で綴っていた最期の日々。

内容説明

ニュートリノ観測でノーベル賞を確実視されていた物理学者が、最期の11ヵ月に綴った病状の観察と死に対する率直な心境。

目次

序文(立花隆)
The First Three‐Months―2007年8月4日~2007年10月31日
The Second Three‐Months―2007年11月3日~2008年2月8日
The Third Three‐Months―2008年2月9日~2008年4月29日
The Fourth Three‐Months―2008年5月3日~2008年7月2日
対談「がん宣告『余命十九ヵ月の記録』」(戸塚洋二×立花隆)

著者等紹介

戸塚洋二[トツカヨウジ]
1942年静岡県生まれ。理学博士。65年東大物理学科卒業。72年同大大学院理学系研究科博士課程修了。88年東大宇宙線研究所教授に。98年世界で初めて素粒子ニュートリノに質量があることを発見した。2008年7月10日逝去。従三位に叙せられる。仁科記念賞、ブルーノ・ロッシ賞、ヨーロッパ物理学会特別賞、パノフスキー賞、ベンジャミン・フランクリン・メダルなどを受賞。2004年、文化勲章を受章

立花隆[タチバナタカシ]
1940年長崎県生まれ。64年東大仏文科卒業。同年、文藝春秋入社。66年退社し東大哲学科に学士入学。在学中から評論活動に入る。74年の「田中角栄研究―その金脈と人脈」(「文藝春秋」11月号)は首相の犯罪をあばいて社会に大きな衝撃を与えた。人文、社会、科学など、その活動範囲は広い。菊池寛賞、司馬遼太郎賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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宇宙猫

32
★★★ 今回のノーベル賞を受賞してたはずの戸塚先生の壮絶な闘病記+日々のこと。 鉈をもって山の中を歩いたことや庭の花のこと、仕事のあれこれなど興味い。そこに挟まる闘病の記録は、グラフや薬の名前が並んでいて実験記録のように淡々と書かれているので、凄まじい闘病記録なのに苦しさはそれほど感じない。説明が上手い人なんだと思う。 彼の記録と考察は物理の世界ならすぐに取り上げられそうだが、患者でしかない医療の世界では声が届かないのかと思うと悲しい。2015/10/26

さきん

25
ノーベル賞を取った小柴教授の弟子で、ニュートリノの研究に携わっていた科学者だが、ガンの病魔に侵されて急逝した。研究者らしく、ガンについても細かく記録を取って観察をおこない、微力ながら、医療に役立てたいと綴る。ほとんどは、抗がん剤に対する、効果という数字に現れやすいところがほとんどで、医者でもわかることばかりであって、どちらかというと小話の方が興味深かった。2017/03/12

わらわら

7
著者戸塚洋二氏は、あのニュートリノの研究者(科学者)である、ノーベル賞受賞者小柴昌俊氏は師であり、梶田隆章氏は引き継いだ人(と言うのか?)癌にならなければノーベル賞を受賞した人であったようです。本はBlog(Weblogを略したもの本文で書かれている)から立花隆氏が編集したものです。抗がん剤治療の経過、植物のこと、宗教の事が興味深い文章で綴られています。自分を客観視(科学者の眼)して書かれている内容は面白いです(不謹慎かなぁ)その治療はこの世の修行のようなきがします。修行を終えて真の仏になられたのでは。2015/11/13

ひろこ

7
ニュートリノの研究で知られる戸塚洋二氏の、末期癌と闘う日々を綴ったブログを立花隆がまとめた物。 偶然だが私は2人の対談の載った2008年8月号の文藝春秋を読んでいて、 父を癌で亡くしたばかりだったので 正岡子規の「悟りという事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違いで、如何なる場合にも平気で生きて居る事であった」という言葉に氏と同じく大いに感銘を受けた。 科学のことはわからないが、物理学者ならではのモノの見方、穏やかな語り口に改めて戸塚氏の功績を讃え、御冥福をお祈りするばかりです。2015/10/28

ようこ

6
優秀な科学者が綴るガン闘病記 迫り来る死を前に冷静に客観的に、時にユーモラスに病状の報告と現状のガン治療の問題提起をしている。ガン患者のデータベース化が実現されれば、当事者の治療の際選択の道標になるし、何よりQOLが高まるだろう。今まで読んだ闘病記の中でダントツの良作。2015/07/23

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