内容説明
磯焼けで荒れ果てた海が、鉄の力で生命力あふれる海の森に。「森は海の恋人」運動を始めた著者が、新たな視座から温暖化問題の解決策を探る。
目次
1 森と海の絆―フルボ酸鉄
2 地球生命をはぐくんだ鉄
3 鉄は地球温暖化を救う
4 “鉄仮説”から「鉄理論」へ
5 実証された鉄の環境利用
6 海藻で地球環境を改善し、バイオ燃料も作る
終章 ハマスレー鉄鉱山に三十五億年前の大地を訪ねて
著者等紹介
畠山重篤[ハタケヤマシゲアツ]
1943年中国上海生まれ。「牡蛎の森を慕う会」代表。京都大学フィールド科学教育研究センター社会連携教授。高校卒業後、牡蛎、帆立の養殖に従事する。家業のかたわら「森は海の恋人」を合言葉に、気仙沼湾に注ぐ大川上流の室根山への植樹運動を続ける。森は海の恋人運動は各方面で高く評価され、1994年朝日森林文化賞をはじめ表彰多数。2004年にはイーハトーブ賞、河北文化賞を受賞した。主な著書に、『日本“汽水”紀行』(文藝春秋/日本エッセイスト・クラブ賞)、『漁師さんの森づくり』(講談社/産経児童出版文化賞JR賞・小学館児童出版文化賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TAKAMI
1
いやーこれは目から鱗の本だったわ!温暖化というマクロな視点が必要とされる問題に対して、漁業に携わりながらも森の重要性に気付き活動してきた著者ならではの視点。窒素とリンだけでなく鉄が植物プランクトンを育む。そのための鉄炭ダンゴのイノベーションっぷりもすごい。問題解決の為の学際的な視点と学び、そしてワクワクする環境問題に対するアプローチを味わえる本。2013/11/19
takao
0
うーん。2017/01/28
葉
0
温暖化問題の基本的な解決策は、石油など化石燃料の消費を減らすことと、光合成する植物を増やすことにある。北大の先生が牡蠣と鉄の関係性を研究しており、森と海と鉄も関係していると本書は続いている。北大の先生は鉄は森が豊でないと生まれてこない。たたら製鉄という昔ながらの製鉄法が川や海を豊かにしたらしい。アラスカ湾の鉄不足の海水に鉄を加えた場合と加えなかった場合におけるプランクトンの増殖実験では、前者の方が3日後から急激な伸びが見られる。ハマスレー鉄鋼さんに35億年前の大地が眠っていることは知らなかった。2016/08/24
十万億土の読書人
0
鉄の効果が体験談とともに書かれていて、驚くような話がたくさんあった!身近に溢れる鉄それがどんなに自然や人に影響を与えているか数値による説得が少なかったかなとは感じる鉄を使ってやってみたくなった!2015/06/16
phmchb
0
『オゾンの不思議』の次に読み終わりました。