刑場に消ゆ―点訳死刑囚 二宮邦彦の罪と罰

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163693507
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

昭和48(1973)年5月11日、福岡拘置所で一人の死刑囚が刑場に消えた。二宮邦彦、享年48。刑が確定してからの13年間、彼は獄中で目の不自由な人のための点字本を打つことに打ち込んだ。その数、1500冊。最後に取り組んでいたのは『罪と罰』だった。真面目な一銀行員がなぜ死刑囚となったのか。彼が点訳書に託した贖罪とは?
気鋭のノンフィクション・ライターが渾身の取材で執筆した衝撃作。

内容説明

十三年間に千五百冊もの点訳書を仕上げた死刑囚二宮邦彦。極刑を申し渡された人間の孤独な心に迫る渾身のノンフィクション。

目次

第1章 魔術師の記憶
第2章 孤独の信徒
第3章 ヒロシマ
第4章 点訳奉仕
第5章 事実誤認
第6章 では、さようならを申し上げます

著者等紹介

矢貫隆[ヤヌキタカシ]
1951年生まれ。ノンフィクション作家。龍谷大学経営学部卒業。交通問題や医療問題を中心とした執筆活動を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はやしま

26
点字と死刑囚という言葉の並びに興味を持ち手に取る。点訳への没頭とその仕事の丁寧さは、罪と向き合い、また死刑への恐怖から逃れるためだろうが、元来まじめな人物だったことがうかがえる。その人物が原爆と元妻の不貞から殺人事件へ至る人生の転落ぶりに人の弱さを感じた。事件の凄惨さは否定すべくもないが、共犯者(無期懲役)との量刑の差には時代的、見せしめ的要素を覚えた。再審請求が却下されるも、刑務官たちでさえ普段の態度から執行されないと思い、支援者たちの助命嘆願もなかった中、時の大臣の判断で執行されてしまう事実が重い。2021/04/28

mimm

3
被害者や遺族に対しての償いがまるでなく、ものすごい違和感と嫌悪感のみ残りました。眉間にシワが深くできたよ…もう。2017/06/07

国重

2
点字翻訳に人生を捧げた死刑囚の生涯を追ったノンフィクション。最後に翻訳していたのが、ドストエフスキーの『罪と罰』だったというのがエモい。2017/05/12

さとまみ読書垢2(小説・その他専用)

0
「本当の孤独とは一切の連帯感が完全になくなる事だと思います」1956年銀行外務員を仲間とふたりで殺害したとして死刑判決。1973年死刑執行された二宮邦彦さん。

カステイラ

0
もはや無名になりかけている何十年前のある強盗殺人事件と、死刑にされ「てしまった」死刑囚の点訳奉仕について丹念に描かれている作品。一人が一心不乱に打ち続けた点訳本が巡り巡って世界的な盲導犬育成士の誕生につながるとは妙な縁を感じる2015/04/04

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