内容説明
悲劇の最期を遂げたマリー・アントワネットを大叔母に、ハプスブルク家から宿敵ナポレオンに嫁いだ悲運の皇女。その波瀾の生涯を描いて、十九世紀ヨーロッパの戦争と平和、皇室と庶民と芸術を浮かび上がらせた一大叙事詩。
目次
第1部 春雷(売られた花嫁;マリー・ルイーゼに決まる ほか)
第2部 夏の嵐(ナポレオン・メッテルニヒ会談;ライプチヒの大会戦 ほか)
第3部 風渡る秋(パルマ女王の善政;少年、ライヒシュタット公となる ほか)
第4部 冬の疾風(幸薄き二十一歳の人生;孤独の女王 ほか)
著者等紹介
塚本哲也[ツカモトテツヤ]
1929(昭和4)年、群馬県に生れる。東大経済学部卒。毎日新聞ウィーン支局長、プラハ支局長、ボン支局長、論説委員、防衛大学校図書館長・教授、東洋英和女学院大学学長などをへて、現在、作家。オーストリア共和国文化功労勲章、オーストリア共和国有功大栄誉銀章、毎日新聞連載「学者の森」(共同執筆)で日本新聞協会賞を受賞。著書に『平和ドイツの時代』『ガンと戦った昭和史 塚本憲甫と医師たち』(第8回講談社ノンフィクション賞受賞)『エリザベート ハプスブルク家最後の皇女』(第24回大宅賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
31
ハプスブルグ家の皇女マリ―・ルイーゼが大叔母マリ―・アントワネットを血祭りにあげたフランスへと嫁ぐのは相当の決心がいったはずで、選択には父親である皇帝との間にかなり激しい言葉の応酬があったらしい。この結婚を後押ししたのは稀代の外交上手メッテルニヒで、欲しくて欲しくてたまらない高貴な血筋をナポレオンに与えている間に、対ナポレオンでヨーロッパを結束させようと企む。結局これは成功するが、それでもヨーロッパが束になってかからないと打ち負かせなかったのだから、ナポレオンの能力は計りしれない。 2017/10/22
noémi
3
この方、塚本さんの本は以前読みました「エリザベート」で二冊目ですが、もとウィーン在中の新聞記者らしい、ていねいな解説と、日本人にはよくわからないヨーロッパ事情を小回りの利いた解説で楽しめる本です。2010/10/22
ゆずこまめ
2
「売られた花嫁」の印象しかなく、ナポレオンとの夫婦仲はかなり睦まじかったとは知らなかった。意外。その後パルマ公国で善政を敷き国民に慕われたそう。知らなかった。性格的には地味で堅実というか。ハプスブルク家のお姫様だけど普通に優しいいい人という感じで、その普通の女性が普通じゃない運命と戦う様を見せてもらった。メッテルニヒも印象的。2024/05/27
海月
2
長かった・・・。簡素な文章でわかりやすい。といってつまらないわけでもない。1800年代前半のヨーロッパ付近を知るにはいいと思います。2011/05/22
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