出版社内容情報
デビュー以来、枠にとらわれない問題作を発表し、周囲の軋轢と闘い続けてきた作家の10年間の軌跡。ショートストーリー8篇も併録。
内容説明
世間のリフジンと闘い続けるケンカ・キリノの一線を越えたエッセイ集。桐野作品のエッセンスを凝縮したショート・ストーリー8篇も収録。
目次
1 ショート・コラム(女の文句;文芸タレント ほか)
2 日記(直木賞受賞後の記;週間日記)
3 エッセイ(ゆらゆらと生きてきた;走る男 ほか)
4 書評・映画評(天使の書評;オコナーの恩寵 ほか)
5 ショート・ストーリー(ソウル―街物語 地下市場/独りぼっちの夜には/ベビーオイル/番号札;夜の聖地;夜の姿;二千章から成る小説;おかえりなさい)
著者等紹介
桐野夏生[キリノナツオ]
1951年、金沢生れ。成蹊大学法学部卒。会社員を経て、93年、女探偵村野ミロが主人公の「顔に降りかかる雨」で第39回江戸川乱歩賞受賞。99年、「柔らかな頬」で直木賞、2003年、「グロテスク」で泉鏡花文学賞、2004年、「残虐記」で柴田錬三郎賞受賞。98年に日本推理作家協会賞を受賞した「OUT」で、2004年エドガー賞(Mystery Writers of America主催)の候補となった
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空のかなた
20
手放せない一冊になった。おかげで、柔らかな頰を購入し、またフラナリー・オコナーという30年以上前に亡くなった作家を知ることができた。エッセイ私空間では「離人しやすいこと」や日々「偶然率が高い」経験に同じだと頷く。実人生には偶然が満ち満ちて、その積み重ねで人は生きているからこそ、虚構である小説に偶然を排除するのはおかしいのではないかという著者の言葉。最後の白蛇教異端審判はバッシングに対し、言葉が私の信仰だと語る著者が「胸くそ悪い男や女の前にはらわたを見せてやりたい」と、腹を括って論争を張った記録。にょろ。2023/02/23
ふみふむ
14
「玉蘭」や「ダーク」に纏わるエピソードがよかった。再読したくなった。また、桐野氏の人となりに触れ、ますます作品に興味を持った。にょろ。2010/12/11
かめぴ
6
なんか凹む。図書館派のワタシ・・。正しくてキッチリしててハッキリしている。憧れます。2011/02/11
猫草
6
憧れの桐野夏生の珍しいエッセイ発見♪エッセイもやはり彼女らしくて好き♪小説に対する闘志を感じる。2010/11/24
たつや
5
個人的に桐野夏生ブームが来ていたので、順番に図書館で借りては読みを繰り返す中、予約した本。タイトルだけでは、これは、きっと、おぞましい、白蛇の呪いとか祟りをテーマにした、ホラー系の作品だと、決め込んでいたら、意外にも、コラム、日記、エッセイ、ショートストーリーで構成された、隨筆本でした。面白かったのは、直木賞受賞後の記です。そんなもんかあ、と思う。2025/01/31