出版社内容情報
藩中一、二を競う遣い手同士の凄絶な果し合いを乾いた抒情で描きだす表題作はじめ、円熟期士道小説の中・短篇二十三篇をおさめる
内容説明
藤沢時代小説の全貌。藩執政をめぐる軋轢の下、多彩な剣が交錯する。円熟期、陰翳ゆたかな士道小説をもれなく収める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モトラッド
38
★★★★☆ 第四巻に続き、第五巻も“士道小説”の短編が23篇、収められている。こちらも傑作ぞろい。『夢ぞ見し』『梅薫る』『泣くな、けい』『山桜』などがとても良いと思った。これ以外も、どれも甲乙つけがたく、どこから読んでも、満足できる一冊である。2020/05/05
ほんのむし
2
ようやく五巻。 最後までたどり着けるかな。2024/01/19
カラヤ3
1
全集なのでいくつもの作品が収録されているが「小鶴」がなにか心に響くものがあった。2021/07/21
よし
1
士道小説三巻 目。映画化された物語「花のあとに」・・一度手合わせをしたいと思っていた剣士と桜の下で出会った女剣士。その剣士が謎の切腹をする。その裏に渦巻く陰謀。「小川のほとり」・・水かさが増した川で 妹が兄の助けを借らずに泣いていた場面が印象的。その兄弟に訪れる上意討ちの皮肉な運命。 ベスト1は「切腹」。感動的さえあった。”見上げた男だったのだと今にして思う。・その身分と命をすでに交わりを絶ってる旧友のために、捨てようとしたのである。・・不和なるがゆえに見捨てては、武士の一分が立たぬ。”2014/06/08