内容説明
未完の聖堂サグラダ・ファミリア、極彩色のタイルで覆われた建物群。ガウディはいまや世界一有名な建築家だ。その独創力に富んだ建築物は大衆のための芸術であり、人間味にあふれている。一方、その人となりについて知られていることといえば、生涯独身で過ごし、信仰心の篤かった孤高の芸術家、極端な完璧主義者といった従来のイメージの域を出ていない。本書の著者は、ガウディの生涯を語るうえで切っても切れないバルセロナ、そしてカタルーニャの歴史と政治的背景を追いながら、丁寧にその足跡をたどり、天才建築家の実像にかぎりなく迫った―。
目次
「空間と状況を把握できる人びと」
荒野の声
奇蹟の都市
建築家修業
天国とハーレムの情景
神父たち
新たなエルサレムをめざして
楽園
骨の館
包囲された砦
山と洞窟
嵐の前触れ
悲劇の一週間
石つぶて
「森のように密生したシンボル」
貧者の大聖堂