内容説明
没後20年にして初公開。簡潔な文章と行間にこめられた家族への愛情、猫への思い。
目次
ちりばめられた姉の声
根来の器の中に
第一の遺言状
一九七一年の姉
遺言状と『ままや』
『父の詫び状』けしからん
あっぱれ遺言状もどき
母は強かった
氷川坂
青山
マミオの引っ越し
保険
宋胡録
印税
『ままや』に託されたもの
あとがきにかえて
著者等紹介
向田和子[ムコウダカズコ]
昭和13(1938)年東京生れ。長姉は向田邦子。実践女子短大を卒業後、保険会社などに勤務。その後、喫茶店経営を経て小料理屋「ままや」を開店、20年間営業を続けるが、平成10年3月に閉店
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感想・レビュー
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myaown
1
事故死した向田邦子が残した遺書もどき?を妹・和子の視点から読み解く。そもそもこれは遺品整理の過程で向田邦子が残したものを出来るだけそのままの形で遺したいという想いから出版されたものなのだな。そんな意図があることがこれを読むと分かる。この一連の作業は和子さんの心の整理でもあった様に思える。当時の報道がどれだけのものだったのか全然知らないのだが有名人だっただけに様々な誤解も生じたことだろう。それらに対する答えのようにも感じた。 2019/07/10
Pompoco
0
姉あっての妹、妹あっての姉。素晴らしい。2015/12/09
sofia
0
正月に読むのにいい。没後20年たっての初公開の本。2012/01/04
fumi
0
向田邦子が事故で亡くなったはつい最近のような気がしていた。亡くなる前に、乳癌、肝炎と患っていたということは知らなかった。末の妹が長姉の在りし日の姿を綴った本書に、向田邦子の作品を観たり、読んだりした当時、感じたことがなぜか昨日のことのように思い出された。2012/06/23
でおでお
0
家族を気にかける姉の思いと限られた文字の中から姉の気持ちを読み取ろうとする妹の思いがどちらも美しい。向田邦子の飼い猫・マミオが主なき後しばらく情緒不安定だったという<マミオの引越し>は泣かせる。2010/10/30