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内容説明
ベルリンの壁崩壊、昭和天皇死去、幼女連続誘拐殺人事件…酒鬼薔薇聖斗。この人類史の憂鬱な先端に向かって、世界はやがて殺到してくるだろう―。十年をかけ人間精神の恐るべき荒野を緻密に描きだした畢生の大作。
目次
１ 世界の
２ 憂鬱な
３ 先端
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
純子
25
先日、宮崎勤の番組を見たことと、児童文学論の本の中で触れられていた(たぶん)ことから手に取ったのだが、覚悟していた以上の重たさだった。読み切るのに精一杯でうまく掴めていないのだけれど、これだけのものを書くのにいったいどれだけの労力が必要だったろうとまず思う。「世界の、憂鬱な先端」に生きるのは、宮崎勤や“酒鬼薔薇”だけではない。事件後の校内で子どもたちが懸命に生活を送っていたことに胸が熱くなった。教師が著者に対してかなり本音を語ったように思えることにも驚く。そういうことこそ報道されるべきだったと思う。2017/11/06
風に吹かれて
21
20世紀最後の年、高校生が人を殺す経験がしたかったと老夫婦を包丁で殺害したり、十七歳の少年がバスを乗っ取ったり、高校生がバットで母親を殺害するなどの事件が起こった。これが、世界の先端なのか…。 さらに十年ほど前に発生した幼女連続誘拐殺人事件の犯人の生活史を、独自の取材に、犯人を、正常、分裂症、解離症（多重人格）とする三つの鑑定書を参照しながら詳述。 →2022/09/14
masabi
8
【概要】宮崎勤、酒鬼薔薇聖斗の事件を起こした内因、外因の相互作用を追う。【感想】両事件の鑑定書の出来が異なるのは、前者が性格的な偏りのある人物が起こした正常な事件として処理したかったのに対し、後者は未成年による凶悪事件であり原因究明を強く求められた結果に感じた。宮崎勤の大量のビデオはビデオ自体の収集、特撮番組と交換するためのストックで、特定ジャンルの偏愛ではなかったようだ。特撮番組もそれが自身の理想郷への触媒に過ぎない。また、動機は猥褻目的にあらずと筆者の推測は事件の表層から得る印象と大分異なる。2021/07/31
猫森
5
宮崎被告の徹底した「主体性の無さ」が怖い。入学する高校に男子校を選んだことについて「人間が一種類だから」と語るところも。時間をおいて再読したい。2014/09/13
金平糖
4
Ｂ。2018/01/11
