出版社内容情報
「祖国とは、国語である」と説く著者の言語・文章に関する主要コラムを一冊に編んだ日本語論決定版。国語混迷の今、必読の一冊だ
内容説明
祖国とは国語である。日本人は文語文を捨てて何を失ったか。明治以来流入した欧米の文物は、混乱と活気と迷惑をもたらした。中江兆民、二葉亭四迷、樋口一葉、萩原朔太郎、佐藤春夫、中島敦たち諸家の名文を引き、失った父祖の語彙を枚挙し、現代口語文の欠点を衝く。
目次
文語文
兆民先生
聖書
二葉亭四迷の思い出
一葉の日記
萩原朔太郎
佐藤春夫
訳詩集
字引
中島敦〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蛸墨雄
7
いやあ、これは完全なる明治の文豪ガイドだ。とても勉強になりました。あと、正岡子規のことをある意味批判している所があり、なるほどとごちた。短歌と俳句を芸術として確立したが、一般庶民から歌うことを奪ったと記されており、明治以前は不通に皆がうたを嗜んでいたという事実を突きつけられた。樋口一葉、二葉亭四迷、永井荷風これらを楽しみたくなった。2018/03/09
藍鼠
1
文語文をなつかしんだエッセイを集めた一冊。なので同様のことを繰り返してしまっていて冗長に感じられる部分はあれど文人たちのエピソードなど豊富に紹介されていて飽きない。惜しむらくは、口語文をこき下ろす表現が少なからずあるのに、筆者の文が口述筆記かと思うくらい雑。ちょっと見苦しいくらいの悪文で、折角の引用文なども眉に唾をつけて読んでしまう。美文であれとまでは言わないけれど、お酒を召しているおじさんの言い分をきいているような気分になりました。2014/09/06
yanapong
0
文語文の復権とまでは言わないけれど、やはり文語文の方が好ましいという著者の歯噛みが伝わる。上っ面だけ読めても、文語文を芯まで理解するには漢籍の素養が欠かせないと再確認した。2014/04/20
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