出版社内容情報
これは単なる三島論ではない。作家、行動者である以前に「いい人」であった三島を哀切の思いで描いて、日本、日本人とは何かを問う
内容説明
三島事件の前日・当日&翌日。「あの日」から四半世紀を経て沈黙の記者が彫る「三島さん」の墓碑銘。
目次
第1章 死者と対話するように
第2章 初の体験入隊
第3章 「四年待つた」とは?
第4章 バンコクで再会
第5章 プールサイドの会話
第6章 『和漢朗詠集』の一句
第7章 林房雄にからむ謎
第8章 いつ死の覚悟を?
第9章 その前夜まで
第10章 十一月二十五日
第11章 死後
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
28
三島由紀夫自決の当日、市谷会館で楯の会のメンバーにより「檄」を渡された二人のうちの一人である徳岡孝夫が、三島の死後25年を経て書いた手記。徳岡は三島の晩年三年半ほどの間に四度だけ、しかも主に取材のために三島に会った。それゆえに控えめに手記を綴っていく。三島の衝撃的な死に様とスキャンダラスな報道に対しようとするかのように、本書は静かな語り口なのが印象的だ。静かだが、哀しみと怒りが通奏低音として絶えずある。何より、三島を傷付けぬようにとの想いを強く感じる。(つづく)2025/06/09
くれの
3
改憲論争が穏やかならぬ今、感慨深く彼の命を賭した言動を追いました。彼の懐に入った著者ならではの視点は斬新でかつ本質を見事に切り分けているように映りました。まだ途中の豊饒の海を天人五衰まで早く読みたくなりました。2014/05/23
冬薔薇
0
毎日新聞記者と作家との交流。1975年11月25日に選ばれたジャーナリストの市ヶ谷へのリアルな記述。2008/06/24
lovejoy
0
★★★★2022/04/23