出版社内容情報
さまざまな角度から歴史における日本文化の特殊性を分析し、考察して、普遍性への道を探る大好評の司馬史観のエッセンスの集大成
内容説明
神道や朱子学は日本人の精神史にどのような影響を与えたか―日本人の本質を探究してきた著者の、長年にわたる深い考察から生れた独自の史観のエッセンス。
目次
神道
会津
大名と土地
鉄
室町の世
連歌
宋学
看羊録
藤原惺窩
不定形の江戸学問
人間の魅力
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
31
この巻は文藝春秋に比較的長く連載されたものが多く入っています。神道7回、鉄5回、宋学4回などです。最後には「人間の魅力」ということで口述したものが収められています。どれを読んでも私のような年寄りには魅力のある文章で、ご自分の書かれた主人公たちについて様々な感懐を述べられていていいものでした。2014/11/12
KF
15
一冊の中でサラッと統帥権について触れている。そこに南北朝時代の楠木正成が坊門清忠により献策が容れられず南朝の敗戦を招いた事が、昭和の統帥権に結び付いた、という部分が物凄い衝撃だった。江戸期から続く南北朝論争で楠木正成が神のように語られた時代、その歴史の教訓に日本が脅さされたのか、軍部が利用したのか?司馬さん自身がこの点を述べたのを他には知らないのでもしかするとかなり軽い気持ちで書いているのかもしれない。それでも重大な指摘だと感じた。2018/09/25
Midori Nozawa
11
おもしろかった。読みやすかった。鉄器をつかうようになって、時代は急速に変化した。日本は鉄鉱石でなく、砂鉄が主だった。精錬に膨大な量の材木が必要だった。中国山地は湿潤な天候が幸いして、枯山を免れた。中国、韓国と日本の関係では、中華思想、儒教の教え、朱子学について知った。幕末の歴史に無知な私は、本書から、坂本龍馬、吉田松陰、高杉晋作など知ることができた。高田屋嘉兵衛という人とロシアのリカルドの会話が可笑しい。テンは天の意志を、クスリは効き目があるという意味。ニコライ堂を建てたニコライは彼に憧れ日本へ。 2024/07/07
えこーづ
5
ひさしぶりに司馬遼太郎。2014/02/20
まっさん
4
この巻の最後に収録された「人間の魅力」で、司馬さんの小説の主人公の魅力について書かれていて、考えさせられました。 後一巻で読了します。 司馬さんの知識の豊かさと洞察に感動です。😊2021/05/21