出版社内容情報
ゴミの中に住む貴族、バスタブで羊の丸焼きに励むアフリカからの移住者……。在仏25年の建築家が友とするおかしな人々、パリの真実
内容説明
在仏25年の建築家が出会った、滑稽で不思議で哀しいフランス式「個人主義」。
目次
1 金貨・甘いか酸っぱいか
2 ガレの家具に秘めた恋
3 いざ歩め!泥棒の王道を
4 フリーメイソンよ おまえもか
5 ボンベちゃんかわいい
6 赤ん坊は国家の所有物
7 男爵様が夜逃げした
8 ある日マルうが突然に…
9 さらば屋根裏の賢人
10 浴槽は子羊の丸焼きのために
11 一週間で億万長者になる方法
12 哀れなり女富豪
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ペイトン
16
図書館で借りて読んでどの話も興味深く、すぐに購入しました。実家にもって行くと母も夢中で読んでおり、あげてきたので再び自分用に購入したという思い出の1冊。パリで繰り広げられる奇人たちの話があまりにも奇想天外なのでかなりの脚色があるのではと疑ってしまうほど。「ガレの家具に秘めた恋」「哀れなり女富豪」はしみじみとさせられ哀感漂います。図書館の司書さんに著者の他の作品はないのかお聞きしましたがないとの返事で、ネットで調べてみると著者は亡くなられていました。何かの事件に巻き込まれたのか悲惨な最期が痛ましいです。2016/04/04
Honey
6
在仏建築家が、1970~80年代に見聞きした話、いくつか。華やかな芸術の都、花のパリのちょっと別の顔。登場するのは奇人たちではありますが、彼らも突出した特別に変な存在というわけでもなさそう。パリに暮らす人々とは、本当に様々な種類の様々な層から成っているのですね。そしてそのため問題も山のように抱えながらも、やはり不思議な魅力が…著者は本書を出した3年後に誘拐殺人事件の犠牲に 参考:http://www7a.biglobe.ne.jp/~tkeizo/news/20100531.htm2013/09/01
荒川ながれ
5
1995/11/30 初版 文藝春秋 1,700定価 サブタイトルは花の都の奇人たち 面白く読めた。鹿島茂の書評で知った。パリに観光に行った後、古本屋で購入。12編の短編小説ではなく、ノンフィクション。1995年のパリの人々とフランス社会の司法、不動産などの複雑さが少し理解できた。Ⅵ「赤ん坊は」の日本人女性、Ⅸ「さらば屋根裏の賢人」Ⅻ「哀れなり女富豪」の醜いジプシーの血を引く女性が印象に残った。著者は殺害された。そのことが関川夏央「人間晩年図鑑1995」にあった。著者本人が奇人だったとも。2025/11/15
さっちゃん
2
建築家である著者が、フランスで殺されたという事件を知ってから読んでみたくなった。彼が仕事を通して関わった人たちのエッセイで、実話とは思えない内容。「赤ん坊は国家の所有物」に出てくるこの日本人女性は無事に子供を育てられるのだろうか?「さらば屋根裏の賢人」は結末がドラマのようだった。「浴槽は子羊の丸焼きのために」という話では、フランスの移民社会を見ることができた。読もうとした理由は不謹慎だったけど、読んでみたら思っていた以上に面白かった。なにより、登録したのが一番目で嬉しい(笑)2012/10/13
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- 和書
- じごくゆきっ 集英社文庫




