出版社内容情報
陸軍きってのエリート集団にあって型破りな行動と発想で疾風を巻き起こした大本営参謀・朝枝繁春の波瀾万丈、真摯で痛快な半生!
内容説明
戦果を水増し報告して立身出世を図ったり、危険な前線を避け、名文を作ろうと言葉の綾ばかりいじっている多くの参謀と違って、陸大「軍刀」組という輝かしい経歴を持ちながら、帝国陸軍の「はみ出し者」「およそ参謀らしくない参謀」として、常に砲煙弾雨の第一線をかいくぐってきた一人の希有な参謀の半生を浮き彫りにし、旧帝国陸軍の「実像」と「虚像」、さらにそれを牛耳った参謀本部作戦課の実態を明らかにする。
目次
貧苦の中から
陸軍士官学校
市ケ谷台の無法松
青年将校の義憤
区隊長から陸大へ
辻政信との出会い
マレー上陸作戦
大本営作戦課
痛恨の対ソ戦略
満州隠密行
無法松の「シベリア証言」―あとがきに代えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CTC
2
1992年初版。著者は陸士60期在学中に終戦を迎えた軍事評論家であり文筆家。朝枝繁春は辻や瀬島らと並ぶ有名参謀。よく名が挙がるのは①シンガポール華僑虐殺②ソ連侵攻時の731部隊始末③シベリア抑留密約起案④ラストヴォロフ事件関連⑤瀬島による堀栄三電報握り潰し告発、など重要な論点に関連しているから。本書は実質朝枝の伝記だから、②④⑤にしか触れておらず、④についても食い足りない。しかし北支にて田中隆吉の下で、無辜を巻き込む灰燼作戦の作戦命令を起案したことや、吉田茂逮捕に関わったことなどが知られる。2014/08/28
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