出版社内容情報
早川雪洲からショー・コスギまで人種差別の壁に挑んで生き抜いた日本人と日系人の足跡を辿り、日米文化摩擦の側面を浮彫りにする
内容説明
アメリカ人の書いたハリウッドの歴史書は欧米の白人が中心で、早川雪洲以外の日本人にはほとんど触れておらず、日本の映画史も日本映画だけを対象にしているので日系人は無視されたままだった。本書は、現地取材を交え、日本文化の先兵でありながら日米両国の映画史からはみ出た人々の足跡に光を当てた画期的な映画論である。
目次
第1章 変貌するハリウッド
第2章 早川雪洲の時代
第3章 仮想敵国ニッポン
第4章 フジヤマ・ゲイシャ・サムライ
第5章 経済摩擦と文化摩擦
第6章 いま、日本映画から世界映画へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
2
サイレント時代に始まる、ハリウッドに挑戦した日本人達、俳優だけではなく、技術者や脚本家、監督など幅広い映画人を対象にしたルポルタージュ。副題にある日米文化論よりも、戦前のハリウッドの日本人俳優達の座談会や早川雪舟の息子雪雄へのインタビューなど、貴重な証言の方が中身が濃い。中でもマコ・イワマツの「アジア系俳優はギャラを値切られるし、出番が少ない」、ノブ・マッカーシーの「日系人俳優は団結しないので立場が弱い」、ショー・コスギの「(忍者御殿と呼ばれた)自宅には頻繁に嫌がらせがある」という生々しい証言も印象に残る2020/05/24
Gen Kato
1
ハリウッド映画に描かれる日本に興味があったので。早川雪洲、青木鶴子、上山草人からショー・コスギに至る俳優たちはもちろん、撮影技師など裏方スタッフの存在を知ることができました。往年のハリウッドでは日本人俳優は日本人以外のアジア人を演じ、中国系の俳優さんが日本人に扮することが多いんですよね。不思議。2016/04/03
tkm66
0
資料2006/01/18