出版社内容情報
昭和18年秋、アジア解放を旗印に開かれた大東亜会議。戦後、歴史から抹殺されたその全貌と参加した七人の指導者の波瀾の軌跡を描く
内容説明
欧米植民地支配からの解放を謳った、史上初のアジア・サミットの“栄光”。昭和18年秋、戦時下の東京に、タイ・ビルマ・インド・フィリピン・中国・満州の6首脳が参集した…。戦後日本を覆った“ポツダム史観”の虚偽を衝く画期的労作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
25
大東亜戦争も劣勢に転じた昭和18年。フィリピン、中華民国、インド、ビルマ、満州、タイ、インドネシアの要人を招き開かれた大東亜会議。欧米帝国主義からの解放と独立を目指し、被植民地国の代表が集った、世界で初めての画期的国際会議。本書は、日本の強国ゆえの独りよがり、強引さ、日本的価値観を押し付けた面を挙げながらも、各国が大戦後、独立を成し遂げた起因を日本の助力と、評価している。しかし日本が欧米と同様、それ以上にアジアの酷虐な支配を目論んだ事にしないと治らない、戦後秩序という名のくびき。国連は解体したほうがいい。2016/05/17
guanben
3
1943年11月に開催された大東亜会議について。戦況が不利の中、植民地支配からの解放を訴えてアジア諸国の支持を得ようとする日本。独立を支援するという甘い誘惑をうけながらも、終戦後の世界情勢も視野にいれながら日本との関係を模索するアジア諸国のリーダー達。日本とその傀儡の茶番という評価もある一方、それぞれの思惑に沿ったギリギリのやり取りが展開された、緊張感のある会議だったことがわかり興味深い。日本が名実ともにアジアの解放のために戦っていたら、当時の世界情勢もまた違ったものになっていたかもしれないなどと思った。2024/09/20
陶符
2
チャンドラ・ボースのような誰もが知るキャストにとどまらず、7参加代表とスカルノ、各々の背景とその後をしっかりと書いてくれている。 勝利者の歴史という茶番の産物に茶番劇と呼ばれた一つの世界史である。2015/01/13
田山河雄
2
これは悲しい本である。出版されたのが1991年と云うことも有るのかも知れない、「大東亜会議は良い会議だった、しかし、軍が現地でやった事が全てを台無しにした…」とか、「大東亜会議の理念とフイリッピンの現実の間には、眼も眩むほどのギャップが存在した…」とか、一定の評価を認めつつも、悲観的に、苦しそうに書かれている。 それ程遠慮することがあるのか…、何故なら、日本の力無くして、彼の国々が英国・オランダ・米国の植民地支配から脱することができたかと云えば、それはやはり無理だった…のではないか。そう思うからである。 2013/10/24
OMO
1
面白さ:○ 興味:◎ 読みやすさ:○ 新鮮さ:○ 文学的云々:×2021/06/23