出版社内容情報
麻雀小説から純文学の名作まで多彩な作家、色川武大氏没して一年。直木賞受賞作「離婚」のモデルで従妹でもあった夫人が描く実像
内容説明
１５も歳上で、デブでハゲで大の風呂嫌い、おまけに難病ナルコレプシーの従兄と、なぜ、結婚してしまったのでしょう？惜しまれつつ急逝した鬼才とともに暮らした２０年、いささか風変わりながら絶妙のコンビだった夫婦の愛憎。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
showgunn
5
古本屋で見つけて購入。 妻だから当たり前と言えばそうなのかもしれないが伊集院静の「いねむり先生」の５００倍くらい面白く色川武大のことが書かれていて、そして伊集院静よりも文章が上手い。 これを読んで「素敵な夫婦だわ」などと思うのは勝手だろうしそう見える部分もあるけど実際にはめちゃくちゃ大変だったろうと思う。奥さんもまた一種の豪傑だった故に色川武大とやっていけたんだなぁ、ということがよくわかりました。 他の方も書いてらっしゃるが井上陽水の酒に睡眠薬を入れた話は最高、しかもこんなところで謝るなよ、という。2016/05/31
de thomaso
1
色川武大の妻として大変な日常を送った著者の思い出話。他人には優しく、身内には厳しいというのは色川の小説を読むとなんとなくわかる気がする。 自身がおっしゃるとおり、喜んで井上陽水に睡眠薬を入れる辺り、夫婦揃って確かに変わってはいると思った。2022/09/11
バールの様なモノ
0
芸能人からアウトローの世界の人と沢山の交流があったので,色々と苦労 されたのが，ひしひしと伝わってきました。 色川先生が亡くなる前に長編を書かねばならないとおっしゃっていたとの事ですが，どんな長編を書きたかったのが非常に気になった。2016/12/11
takatsu_izumi
0
「明日泣く」を読みたくなり本棚を探したらこちらが目に止まった。色川武大の一面を知るには最良の読み物。寛容だけでは一緒に過ごせない、夫婦のあり様についても考えさせられた。最期を看取る場面に愛情以上の特別な感情が溢れていた。2011/12/18
イカ男
0
最期はジャズ喫茶、ベイシーのある一関にて亡くなる。従妹の孝子さんが綴った本。井上陽水が遊びに来て、孝子さんはお相手ができないので、酒に睡眠薬を入れた話が面白い。2010/02/15
